なお、今回は地声最高音と裏声の区別が付きにくい場面がありました。hiC#,hiA#の中には裏声っぽいニュアンスのものもあります。「hiA#~hiC#辺りに地声と裏声の換声点がある」と考えてください。
『先日はロマンス feat. suis from ヨルシカ』(平畑徹也)
【地声最低音】mid1F(F3)
★m2F–2F#[ぶ[ん]め]いの朝m1G#[に] 1G#–m1F[街をあ[る]いG#[た]【Aメロ】
【地声最高音】hiC#(C#5) ※Dメロで1回
★水hiC#地–hiC^-m2G#[を]掻い[て]手繰]り寄hiA#[せ]た]指を【Dメロ】
【裏声最高音】hiC#(C#5) ※サビで登場
★ぎhiC–hiC#裏[ん[に]淡くひhiA#[か]り夢を見てるまま【サビ】
【補足】mid2G#~hiA#を含むフレーズ一覧
★hiA#地–m2G#[み]な]もに君を待って【サビ】
★夜は明m2F#[け]ぬ[ま]ま朝になった
★hiA#–m2G#[な]み]泳ぐA#[つ]き] [のA#[ひ]れ]
★くm2F#[つ]は慣れずhiA#裏–G#裏[とも]こ]ころは躍る【Aメロ】
★hiA#[旧時]代m2G#[人]類のおきF#–G#[て[に]則り【Bメロ】
★嘘つhiA#裏–m2G#[き]の]喉奥m2F#[に]栓をして
★海hiA#–m2G#[を見]て]た まだm2F#[つ]よく踏み[し]めて【Dメロ】
★ゆm2F#[め]に[もm2G#[見]たでしょう
★hiA#地–m2G#–F#[ま]だ]夜]は明けぬ朝に な[みを]見てるまま【ラストサビ】
まず、『先日はロマンス feat. suis from ヨルシカ』についてです。この楽曲は、2023年にアレンジャーやサポートキーボーディストとして活躍される平畑徹也(ひらはたてつや)さんによりリリースされたアルバム『AMNJK』に収録されております。
平畑徹也さんは、これまで多くのミュージシャンのレコーディングやライブのサポートミュージシャンとして活躍しておりますが、2023年に縁の深い歌手やユニットとフルアルバム『AMNJK』を製作しました。アルバムには、高橋優さん、キタニタツヤさん、reGretGirlの平部雅洋さんなどが参加しております。私自身もこの記事を執筆するにあたり、同アルバムを視聴したのですが、非常に良質の作品群であり、気に入った曲が多かったです。個人的にはインスト作品である、緑黄色社会のpeppeさんとの『サイトシーイング』、ヨルシカのn-bunaさんとの『遠野』という2曲が特に印象に残りました。
さて、『先日はロマンス feat. suis from ヨルシカ』(以下、先日はロマンス)はタイトルにもあるように、ヨルシカのボーカルsuis(スイ)さんがボーカルとして参加されております。suisさんは今作が初の作詞担当であり、またミュージックビデオの監督も務めております。作詞はsuisさん、作曲編曲は平畑徹也さんによりなされました。
同曲は、ミドルテンポのバンド曲です。全体としてメロディアスなナンバーであり、サウンドアレンジも落ち着いております。そうしたこともあり、ボーカルのsuisさんも優しい歌声を意識されていると感じました。
同曲の歌詞は抽象的な比喩表現が多く、私としても非常に印象に残りました。今作はsuisさん初の作詞曲でありますが、独特だけどイメージしやすい暗喩も多く、今後もっと彼女の作詞曲を聴いてみたいと感じます。歌詞には【真綿首絞め合った】など一瞬ギョッとするようなインパクトのある表現がありますが、それがsuisさんの柔らかいボーカルやサウンドアレンジと絶妙にマッチし、優しいポップスを作り上げている点が不思議でした。
『先日はロマンス』の音域的な特徴についてです。同曲は、女性の音域の範囲内で歌メロが作られております。人によっては少し低いレンジかもしれませんが、多くの人が原曲キーで歌唱することが可能だと思います。
同曲は全体的にhiA#辺りが地声高音として多く登場します(やや裏声のように聞こえる場面もありますが)。そうしたこともあり、最近のJ-POPの女性曲として高音域がやや控えめです。ただ、hiA#が登場する場面はAメロ~サビまで広く、人によっては体力的に辛くなりやすいかもしれません。
ちなみに、男性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを下げた方が歌いやすいと思います。「高音域が非常に得意な男性」などは原曲キーで歌唱することも叶いそうですが、suisさんの歌唱表現などを考慮すると、個人的にはキーを下げた方がよりマッチするのではないかと推測しました(高音域が得意であっても、この辺りを柔らかく歌唱するのは男性だと大変)。
最後に『先日はロマンス feat. suis from ヨルシカ』の音域についてですが、【地声最低音】mid1F(F3)~【地声最高音】hiC#(C#5)、【裏声最高音】hiC#(C#5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域の範囲内です。以下、見ていきます。
まず、地声最低音mid1FはAメロで登場します。この辺りは女性の音域の範囲内ですが、mid1Fは人によっては低く感じるかもしれません。「高音域が得意な女性」などはキーを上げるのもよいと思います。
次に、地声最高音hiC#はDメロで登場します。登場回数は1回程度です。この場面を除くと、hiA#辺りが多く登場します。こうしたことを踏まえると、多くの人が原曲キーで歌唱することが可能だと思います。一方、今回は裏声hiA#でも違和感がないところが多いですので、高音域が苦手な女性などは裏声を上手く駆使するのもよいと思います。
『先日はロマンス』は低音域が低めであり、キーを下げる余地はあまりありません(男性はキー下げ可)。一方、同曲は高音域には余地があるため、一般的には通常はキーを上げることが多いのではないかと思います。
同曲は全体的にメロが親しみやすく、リズムも難しい部分が少ないため、練習曲に向きやすいのではないかと個人的には推測しております。ただ、器用な裏声表現が必要になるため、そうした点が難しいと感じた場合は、別の易しめの曲と並行して練習してください。
『先日はロマンス』を原曲キーで歌唱する場合、mid2G#~hiC#辺りをしっかり歌いこなせる力が求められます。今回はmid2G#~hiA#辺りが多いですが、おおよそ一般的な女性の音域の範囲内です。こうしたことを踏まえると、「標準よりやや低め~標準的な音域の女性」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。個人差はありますが、高音域が得意な女性はキーを上げてもよいと思います。
『先日はロマンス』は心地の良いポップであり、アレンジなども含め、私自身も非常に耳に残りました(歌詞も好きです)。メロディーやリズム、音域的にも取っ付きやすそうな楽曲です。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。
コメント
リクエストをさせていただきます。
BLEACHの新しいアニメのOPになっているw.o.dのSTARSという曲をお願いしたいです。
リストアップしておきます。
初めて聴きましたが、いい曲です。