『夜空ノムコウ』(スガシカオ)
【地声最低音】mid1F#(F#3)
★m1F#[あ]れからm2F[ぼ]くF–m2F#[たちは[ぁ]【サビ】
★m2F#–F[な]に]かをし2D#[んじてこ]れたm1F#[か]なぁ
★m1F#[だ]れm2F#–F[か]の]声に気づ1F#[き] [ぼ]くらは身をひそ[め]た【Aメロ】
【地声最高音】mid2G#(G#4) ※この場面で2回
★m2F#-F[も]う]明m2G#–F#[日]が] F#[待]っ]てm2G#–F#[いる]ぅ]【ラストサビ】
【補足】mid2F~mid2F#を含むフレーズ一覧
★君m2F–m2F#[が[何かつ]た]えようと にぎり返したその手は【Bメロ】
★今でm2D#–m2F[もまだしめ[つ]け[る]ぅ]ぅ
まず、『夜空ノムコウ』についてです。この楽曲は、元々は、男性アイドルグループSMAP(スマップ)のシングル曲として1998年にリリースされました。シングルは累計で160万枚を超える大ヒットとなり、SMAPを代表するヒット曲となりました。グループとしては、21世紀に記録的ヒットとなった『世界に一つだけの花』に次ぐ2番目の売上を記録しております。
さて、『夜空ノムコウ』は作詞をスガシカオさん、作曲を川村結花さんが担当しましたが、楽曲のヒットとともに両者にも注目が集まります。今回取り上げるスガさんのバージョンは、2001年にアルバム『Sugarless』の1曲としてセルフカバーされました。同アルバムは、他の歌手への提供曲のセルフカバーやカップリング曲を中心に楽曲収録されております。私個人としては、『8月のセレナーデ』という曲が非常に好きです。
『夜空ノムコウ』はミドルテンポのポップ曲です。全体として切なさが強調された楽曲であり、ストリングスなども用いられております。歌メロについては頭サビで始まり、AメロBメロサビと展開します。全体的にメロディアスで、多くの人に親しみやすい作品だと思います。
同曲の作詞はスガシカオさん、作曲は川村結花さん、編曲はスガさんと森俊之さんの共同でなされました。ちなみに、オリジナルのSMAPのバージョンでは編曲をCHOKKAKUさんが担当されてます。
『夜空ノムコウ』の音域的な特徴についてです。同曲は男性の音域の範囲内、もしくはやや高めのレンジで歌メロが作られております。原曲キーでも合いやすい人も多いかもしれませんが、通常は少しキーを下げた方が歌いやすそうです。ちなみに、SMAPのバージョンはスガさんよりも半音低い【mid1F~mid2G】で歌唱されております。この辺りを一つの目安にしてもよいかもです。
同曲は、全体でみると、mid2E~mid2F#辺りの登場回数が多いです。そのため、標準的な男性にとっては体力的にも少し辛いかもしません。反対に、「ある程度高音域が得意な男性」だと、より歌いやすい楽曲だと推測されます。
ちなみに、同曲を女性が歌う場合、通常はキーを上げた方が歌いやすいと思います。人によっては、スガシカオさんやSMAPのレンジでも歌唱可能かもしれません。ただ、女性の得意なレンジを考慮すると少しキーを上げた方がより歌いやすそうです。
一つの目安ですが、同曲の作曲を担当した川村結花さんのセルフカバーバージョンは【mid1G~hiA】で歌われております(SMAPよりも2つ、スガさんよりも1つキーが高い)。個人的には川村さんのバージョンよりももう少しキーを上げてもよいのではないかとも推測しております。
最後に『夜空ノムコウ』の音域についてですが、【地声最低音】mid1F#(F#3)~【地声最高音】mid2G#(G#4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域の範囲内、もしくはやや高めです。以下、見ていきます。
まず、地声最低音mid1F#については、Aメロやサビで登場します。この辺りは男性の音域の範囲内です。ただ、mid1F#辺りは男性曲の最低音としては高く、相対的に中高音域の登場回数が多くなりやすいです。今回は滅茶苦茶に高音域が高いわけではないですが、mid2E~mid2F#といった音階が多くみられます。
次に、地声最高音mid2G#はラストサビで登場します。登場回数は2回程度です。このmid2G#辺りは一般的な男性の音域としては若干高いです。人によっては原曲キーでの歌唱も可能かもしれませんが、一般的には少しキーを下げた方が歌いやすいと思います。一つの目安ですが、原曲キーから1~2つ程度下げてみてください(SMAPは1つ低いキー)。
『夜空ノムコウ』は低音域に余地があり、キー調整はしやすいです。同曲は音域自体はそこまで広くないですので、キー調整はしやすいです。ちなみに、同曲は学校で使う音楽の教科書にも掲載されていたことがあったらしいです。そのため、練習曲としても使いやすいと思います。
『夜空ノムコウ』を原曲キーで歌唱する場合、mid2E~mid2G#といった高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。今回はとりわけmid2E~mid2G#辺りの登場回数が多く、人によっては体力的にも辛くなりやすいです。そのため、「標準よりやや高め~ある程度高音域が得意な男性」などがマッチしやすいと私は判断しました。
『夜空ノムコウ』はしっとりとしたポップであり、ボーカルの良さが活きやすい作品です。メロディーも親しみやすく、練習曲としておススメしやすいです。慣れない人はSMAPのバージョンで歌ってみるのもよいと思います。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。