『狐独の才望』(凛として時雨)の音域 /アニメ『陰陽師』OP曲

★鮮hiB地–hiA[や]か]にらしくhiE裏–hiD#–hiB地–A[き]つ]ね]に]包まれた【Aメロ②】
★hiE裏–hiD#–C#–C^[心の]臓より 出]づるよ]くぼうよ[ぉ]
★僕の心の奥底にある歪hiB地–hiA[な]い]ろど[り]【サビ】
★ほら君にもhiB–hiC#地[あ[る]の
★うhiD#–C#-^-hiE地[つくし]いいの][り[で満]た]せば
★月かりただhiF地–E–C[よう]か]ぜ]の音にA#[な]にを感C地–A#[じ]てい[る]の？【Dメロ】

　まず、『狐独の才望』（こどくのさいぼう）についてです。この楽曲は、２０２３年にロックバンド凛として時雨によりリリースされたシングル作品です。最新作であるため、アルバムには未収録です。

　さて、『狐独の才望』は夢枕獏さんの同名小説を原作としたWebアニメ『陰陽師』のオープニングテーマとして書き下ろされました。ちなみに、『陰陽師』シリーズは１９８６年に夢枕獏さんにより発表された小説であり、現在までに連載が続いております。同作は、これまでに実写映画やドラマ、舞台など様々なメディアミックスが行われました。今回は、初のアニメでの映像化になります。


　『狐独の才望』はアッパーなロック、ハードコアです。AメロBメロが２回続き、サビへと展開します。いわゆる２番のAメロBメロはなく、後半はDメロサビといった盛り上がる展開が長く続きます。ボーカルはTKさんと345さんによるツインボーカルとなっており、両者が目まぐるしくパートを変えて歌唱しております。作詞作曲はTKさん、編曲は凛として時雨によりなされました。


　『狐独の才望』の音域的な特徴についてです。同曲は、先述のように男性と女性のツインボーカルで歌メロが作られております。男性パートについては、「かなり高い」レンジで、女性パートについては「高いorかなり高い」レンジで歌メロが作られております。男女差はありますが、一般的にはキーを下げた方が歌いやすいと思います。
　同曲は最低音はmid1G#ですが、全体でみると歌メロのレンジがかなり高く、AメロBメロでも男性曲のサビのような高いレンジになります。今回は男性＆女性で歌唱しておりますが、場合によっては女性同士で歌うのもよいかもしれません。男性の場合は、「高音域が得意な男性」などが合いやすいと思います。ロック曲でシャウトなどがしっかり歌える方だとより雰囲気が出やすいと思います。

　ちなみに、同曲は男性（TK）と女性（345）で目まぐるしくパートが変わり、メロとメロが重なっている場面もあります。全てを１人で歌うのは非常に困難ですので、できれば２人以上で歌うのをお勧めします。１人で歌う際は、「どこを歌って、どこを歌わない」といった自分なりの決まり事を作っておいた方がよいと思います。



　最後に『狐独の才望』の音域についてですが、【地声最低音】mid1G#(G#3)～【地声最高音】hiG#(G#5)、【裏声最高音】hiF(F5)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、かなり高いです。女性パートについても、高い（かなり高いでもよいかも）です。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1G#はAメロで登場します。ただ、このmid1G#は歌い出しの瞬間的な音であるため、そこまで厳密な音程にこだわらなくてもよいと思います。このmid1G#を除くと、低音域としてはmid2C#が登場します。この辺りが１つの目安となりそうです。こうしたことから、男性の音域としてはかなり低音が高く、相対的に中高音域が多く登場することが示唆されます。

　次に、地声最高音hiG#はサビで登場します。登場回数は９回（女性パート４回、男性のシャウト５回）です。このhiG#は男性だとシャウトとして登場しますが、男性の音域としては極めて高いです。また、女性の音域としても高いため通常はキーを下げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから４つ程度上げてみてください（これでも高いかもです）。


　『狐独の才望』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。歌い慣れた人であれば、ある程度自分の得意なレンジに調整することができると思います。ただ、今回は最高音自体が高いため、女性が歌う場合でも大きなキー調整が必要になり、違和感などを感じる人もおられるかもしれません。
　ちなみに、同曲はツインボーカルのため、歌メロが重なっている場面があります。そのため、原曲のニュアンスを再現したい場合は、２人以上で歌うのがよいと思います。ソロで歌う際は、自分が歌う個所をしっかり頭に入れておいた方がよさそうです。

　『狐独の才望』を原曲キーで歌唱する場合、hiA～hiGといった高音域をしっかり歌いこなせることが求められます。
　まず、男性パートについてはシャウトの場面を除くと、地声ではhiC#までです。そのため、hiG#のシャウト以外は、ハチャメチャに高い場面というのは少ないですが、地声のhiA～hiB等が高頻度で登場します。また、低音が全体的に高く、ほぼ全てが中高音域になります。
　女性パートについては、要所要所でhiD#～hiG#などの場面が登場します。そのため、女声域としてはかなり高いのです。ただ、今回はツインボーカルであるため、ソロで歌う時よりは負担が軽いです。ロックの声を張る発声などに慣れている人だとよりマッチしやすいかもしれません。
　こうしたことを踏まえると、男性女性ともには「高音域が得意（or非常に得意な）人」が原曲キーにマッチしやすいと私は判断しました。


【まとめ】

①AメロBメロサビとあるが、全体的に高い
②原キーだと「高音域が得意（or非常に得意な）人」に合いやすい
③メロが重なっている場面が多いため、複数人で歌うのがおススメ
④音域だけでみると、女性２人で歌うのもよさそう