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『幸福論』( 椎名林檎 ) の 音域

こんにちは。今回は椎名林檎さんの『幸福論』(1998)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回はリクエストによる選曲です。


『幸福論』(椎名林檎)
『幸福論』(椎名林檎)の音域







【地声最低音】midA2(A3) 

★本当のしm2F[あ]わせを さがしm2A#[た]ときに【Aメロ】
2G[そ]してあGhiA[た[し][き]みのつm2A[よ]さも【Bメロ】
m2G[か]くしがGhiA[ち[な]m2A#[わ]さもA[汲]んで]


【地声最高音】hiD(D5) ※全体で8回

hiD地hiCA[何]も]の]ぞみはしない[様]【サビ】


【裏声最高音】hiC#(C#5) ※サビで登場

★とm2GhiAhiA#[き[の[な]が]れ][そAhiC#裏^[ら[の]い]ろ]【サビ】

 まず、『幸福論』についてです。この楽曲は、1998年に女性シンガーソングライターの椎名林檎さんによりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては翌年に発表された『無罪モラトリアム』にアルバムバージョンの『幸福論(悦楽編)』として初収録されました。同アルバムには、『歌舞伎町の女王』(過去記事)『丸ノ内サディスティック』(過去記事)などの人気曲が収められております。アルバムは170万枚を超える大ヒットになり、後の歌手にも大きな影響を与えました。

 さて、『幸福論』は椎名林檎さんのデビューシングルとして発表されました。リリース当初はそこまで大きなヒットにはなりませんでしたが、ブレイク後に再発売されたものが25万枚を超えるCDヒットを記録し、日本レコード協会よりゴールド認定(旧基準)がなされました。
 ちなみに、先述のアルバム『無罪モラトリアム』に収録されているバージョンと、シングルバージョンではアレンジが大きく異なっており、今回の音域調査はシングルバージョンを基準に行っております。シングルバージョンについては、アルバムでは2019年の『ニュートンの林檎 〜初めてのベスト盤〜』に初収録されました。


 『幸福論』の音域的な特徴についてです。同曲は大よそ女性の音域の範囲内(or やや高め)で歌メロが作られております。一般的な女性が原曲で歌うことも可能ですが、場合によっては少しキーを上下するのもよいと思います。
 同曲はAメロBメロサビと楽曲が盛り上がっていき、サビでは地声最高音がhiDが登場します。ただ、今回は地声高音としてはhiAなどが多いですので、見た目の音域に比べ高音は歌いやすいのではないかと私は判断しました。高音域が苦手な人などはhiDを裏声で歌唱するのもよいと思います。

 男性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから3~4つ程度下げてみてください。また、hiDを裏声で歌うなど工夫をすれば「高音域が非常に得意な男性」原キーで歌うことも可能なのではないかと私は推測しました(それでも通常はいくらかキーを下げた方が安定する)。



 最後に『幸福論』の音域についてですが、【地声最低音】midA2(A3)~【地声最高音】hiD(D5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域の範囲内(もしくはやや高め)です。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid2AはBメロで登場します。この辺りは女性の音域の範囲内です。登場回数自体も多くないため、「高音域が非常に得意な女性」などでも歌唱可能だと思います。ただ、得意な声域などを考えると、「高音域が非常に得意な女性」などはいくらかキーを上げるのもよいと私は推測しています。

 次に、地声最高音hiDはサビで登場します。登場回数は全体で8回程度です。このhiDは女性の音域の範囲内、もしくはやや高めです。そのため、人によっては少しキーを下げて歌うのもよいと思います(hiDを裏声で歌うのもよい)。ただ、今回はhiDに次ぐ地声高音としては、hiA#がピークとなる場面が全体で8回程度です。そのため、見た目よりも低く、一般的な音域の女性も原キーでの歌唱が可能なのではないかと私は推測しました。


 『幸福論』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。歌い慣れた人であれば、ある程度自分の得意なレンジに調整することができると思います。また、ビギナー向けの調整もある程度可能であり、個人的には練習曲にもおススメしやすいと感じました。
 同曲はメロディー自体も比較的わかりやすく、リズムも難しい場面は少ないです。こうした点を考慮すると、練習曲やカラオケのレパートリーとしてもおススメです。

 『幸福論』を原曲キーで歌唱する場合、hiA~hiDといった中高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。これらはBメロやサビで登場します。hiDに次ぐ地声高音がhiA#であるため、見た目よりは高音は高くないのではないかと思います。低音域についてはmid2Aであり標準的です。
 こうしたことを踏まえると、「標準よりやや低め~ある程度高音域が得意な女性」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。「高音域が得意(or 非常に得意)な女性」なども原キーでの歌唱が可能だと思いますが、得意レンジなどを考慮すると少しキーを上げるのもよいと思います。


【まとめ】

①Aメロは中低音中心、Bメロサビで中高音が増える
②高音域は見た目ほどは高くない
③原キーだと「標準よりやや低め~ある程度高音域が得意女性」などに合いそう
④メロは分かりやすく、カラオケ向き(練習曲にもよい)

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