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『Last Christmas』(Wham![ワム!])の音域

こんにちは。今回はWham!(ワム!)の『Last Christmas』(1984)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回は自選曲です。クリスマスの時期によく流れる洋楽曲として1度は取り上げたいと考えておりました。


『Last Christmas』(Wham![ワム!]
『Last Christmas』(Wham![ワム!])の音域






【地声最低音】mid2A(A3) 

※補足の欄をご参照ください。


【地声最高音】mid2G(G4) ※各サビ2回ずつ

m2F#[This] m2E[year], to F#[save] m2G[me] F#[from] [tears]【サビ】


【裏声最高音】hiB(B4) ※Aメロで登場

m2E{I keep my dis]tance, but hiB裏[you still] m2F#[catch] [my] eye【Aメロ】



【補足】mid2EhiB辺りを含む代表的フレーズ

m2E[Last Christ]mas, m2A[I] [gave you] m2F#[my] heart【サビ】
★But the m2E[very next] m2D[day], you gave [it] away
m2D[I’ll] give [it] to some[one] spe[cial]m2A

m2E[Once] bitten and hiA裏[twice] F#[sh]y]【Aメロ】
m2F#[Tell] me, ba[by]m2E, F#[do you re]cognise [me?]
m2E[With] a note say[ing], “I love you,” I meant it
m2F#[No]w]m2E I [know] [what] a F#[fo]ol] I’ve [been]

☆A man undercover, but you hiA[tore] m2F#[me a]part【動画の3:06辺り】

☆But the very next day, hiA[you] hiB[ga]ve] it away【動画の3:06辺り】

m2E[face] on a lover m2A[with a] [fire] in his heart (I gave you my heart)【Cメロ3:52辺り】

※☆は地声でhiAやhiBが副旋律扱いとしました。

 まず、『Last Christmas』(ラスト・クリスマス)についてです。この楽曲は、1984年に2人組の英国人ポップデュオWham!(ワム!)によりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、1986年の『Music from the Edge of Heaven』に初収録されました。ちなみに、このアルバムに収録されているのは別ミックスであり、日本などで多く流れているのはシングルバージョンです。

 『Last Christmas』は1984年の作品ですが、クリスマスの時期になると日本でも街でよく流れます。ちなみに、現在ストリーミングランキングなどでもトップ200以内にランクインしております。CDやレコードなどの累計セールスが日本だけでも100万枚を超えるロングヒットになりました。
 同曲は、海外のみならず日本でも多くカバーされており、とりわけ2008年にEXILEがリリースした日本語詞を交えたバージョンはCDで25万枚、着うたでも25万ダウンロードを記録しております。そのため、もしかしたらどこかでEXILEのバージョンを耳にしたという方も多いかもしれません。また、海外ではテイラー・スウィフトさん、アリアナ・グランデさんといった人気歌手もカバーしており、世界的にも知られたクリスマスソングの1つだといえます。
 ちなみに、私個人は中学時代の英語の授業で同曲を歌ったことがあります。また、週刊少年ジャンプで連載された漫画『バクマン。』の中で、ヒロインが主人公に送った曲として登場したことも記憶にあります(同曲は恋人との別れを歌った曲ですが、作中にはそういう意図はなかったはずです)。


 『Last Christmas』の音域的な特徴についてです。同曲は男性の音域としてはやや高め(もしくは高め)のレンジで歌メロが作られております。低音域には余地が多いので、キー上げはしやすいです。ちなみに、EXILEのバージョンは原曲よりも1つ低いキーで歌われております(♭1)。
 同曲は、地声高音がmid2Gと男性として滅茶苦茶には高くありません。ただ、男性曲としては最低音が高い分、全体としてmid2D~mid2F#辺りの中高音域の登場回数が非常に多いです。そのため、見た目の音域以上に高音感があります。その点はキー調整の際には留意しておきたいです。
 また、最低音が男性曲としては高い分、女性が原曲キーで歌唱することも可能です。とりわけ、「標準より低めの音域の女性」等は原曲キーでもよいかもしれません。
 ただ、女性の得意のレンジを考えると、歌い慣れた一般的な女性はキーを上げた方が歌いやすいと思います。米国人女性歌手のテイラースウィフトさんが、mid2C~hiA#(hiD)辺りのレンジでカバーされております。女性の場合は、この辺りが1つの基準となると思います。



 最後に『Last Christmas』の音域についてですが、【地声最低音】mid2A(A3)~【地声最高音】mid2G(G4)、【裏声最高音】hiB(B4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、「やや高め(もしくは「高め」)」です。。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid2AはAメロやサビで登場します。このmid2Aは男性の音域の範囲内ですが、男性曲の最低音としては高いです。最低音がmid2Aとなる男性曲は、ほぼほぼ「一般的な男性にとってはキーが高い曲」となります。今回の『Last Christmas』についても、この基準が明確に当てはまりそうです。
 ちなみに、同曲は最低音が高い分、理論上は女性が原曲キーで歌唱することも可能です。ただ、女性の得意声域を考えると、「標準より低めの音域の女性」等が原曲キーに合いやすいと思います。

 次に、地声最高音mid2Gについては、サビで登場します。登場回数は6回程度です。このmid2Gは男性の音域の範囲内です。ただ、同曲は全体としてmid2E~mid2F#辺りの登場回数が多く、全体的に高音感があります。そのため、私なりの印象ですが、一般的な男性は少しキーを下げた方が歌いやすいのではないかと推測しております。一つの目安ですが、原曲キーから1~2つ程度下げてみてください。


 『Last Christmas』は低音域に余地があり、キー下げはしやすいです。同曲は音域自体はそこまで広くなく、キー調整の融通は利きやすいです。そのため、大きなキー調整に抵抗が無ければ、ビギナー向けの調整も可能だといえそうです。一方で、同曲は英語詞であり、その点で日本人にはハードルになります。また、原曲のように歌いこなすには、やはり力量が求められます。その点で、しっかりとした練習が不可欠になります。英語詞に抵抗がある方は、EXILEのカバーバージョンにチャレンジするのも良さそうです。

 『Last Christmas』を原曲キーで歌唱する場合、mid2D~mid2G辺りの高音をしっかり歌いこなせる力が求められます。先述のように、同曲は男性曲としては最低音が高く、その分mid2D~mid2F#辺りが超頻出です。そのため、見た目の音域以上に高音感があります。そのため、「標準よりやや高め~高音域が得意な男性」等が原曲キーに合いやすいと私は判断しました。


 『Last Christmas』は英語詞というハードルはありますが、ミドルテンポのポップ曲であり、カラオケなどでも歌いやすいと思います。また、この時期にはどこかしらで流れる定番のクリスマスソングです。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。

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