『1/2』(川本真琴)、1/2(Makoto Kawamoto)
【地声最低音】mid2B(B3)
★くm2B[ちび]ると唇 瞳と瞳と手と手【サビ】
※【補足】を参照ください
【地声最高音】hiC#(C#5) ※全体で20回超
★どhiA–hiB–hiC#[か[いっ[ちゃい]そう]な]のさ【Aメロ】
★(黙ってると) hiA#–hiB[ちぎれ[そう]だから hiC#[こん]な気持ち
★苦しくて せつなくて m2G#–hiC#[見せたくて[パン]クし]ちゃう【サビ】
★hiC#–hiB[そっ]ぽ見[て]待ってるから
【裏声最高音】hiE(E5) ※Bメロ等で登場
★あったかhiD#裏–hiE–hiC#地–hiB[い[リ]ズ]ム] 2コの心臓がくっB[つ]いてく【Bメロ】
★(一コの夕陽ぽつんとふたりで見てた) きれいだけどもhiE裏[さ]【3番Aメロ】
【補足】hiA~hiBを含むフレーズ一覧
★せm2B[な]hiA[か][に]hiA#–hiB[耳を[ぴっ]とつけて 抱きしめ2B[た]ぁ【Aメロ】
★境hiA[界]線み[たい]A–hiB[な[か]ら[だ]が]じゃまだね
★m2G[かわりばん]こで[ペダルをこい]で hiA[おじぎのひま]わりA[通り越]して【Bメロ】
★hiA[ぐんぐんか]ぜを[のみhiB[こんで]そう]飛[べB[そ]う]じゃん
★初めて感じた君の体温 hiA[誰よりも]強くA–hiB[なり[たい]
★神様は何m2G#[も禁止なんてし]hiB–hiA[て]な][い]【サビ】
★hiB–hiA[愛し]て]る[ぅ] B[愛し]て]る[ぅ] B[愛し]て]る[ぅ]
★hiB[恋]してるチカラに魔法をかけて
★ノストラダムスがhiB–hiA[よ]げ]んしたB[通]り]【Dメロ】
まず、川本真琴(かわもとまこと)さんについて少し説明します。川本真琴さんは、1996年にデビューした女性シンガーソングライターです。3枚目のシングル『1/2』が75万枚を超えるヒットを記録し、人気の歌手として仲間入りを果たしました。知られている楽曲としては、今回取り上げる『1/2』に加え、デビュー曲の『愛の才能』、『DNA』、『桜』などが列挙されます。私自身は、『ピカピカ』、『ギミーシェルター』なども印象に残っております。
一方、川本さんはメジャーレーベルでのハイペースな活動、自身の性格と異なるようなキャラ・販売戦略などに疑問を抱き、2000年代初頭頃からは、自身のペースに合わせた活動を行っております。様々なアーティストとのコラボ、楽曲提供などを通じて名前を知った方も多いかもしれません。
さて、『1/2』(2ぶんの1)についてです。この楽曲は、1997年に女性シンガーソングライターの川本真琴さんによりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、同じ年にリリースされた『川本真琴』に初収録されました。アルバム『川本真琴』は100万枚を超えるセールスを記録し、その年の日本レコード大賞で「ベストアルバム賞」を受賞しました。
『1/2』については、和月伸宏さんの同名漫画を原作としたアニメ『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』のオープニングテーマとしてタイアップが付きました。こうしたことで音楽ファンのみならず、当時アニメを見ていた小中学生などからも広く知られるようになりました。川本さんの代表的な楽曲の1つです。
『1/2』はミドル~アップテンポのバンド曲です。川本さんの当時の作風としては、速い歌い回しのメロディー・歌詞が特徴として挙げられますが、この『1/2』でもそれがうかがえます(かといってラップミュージックのようなニュアンスではない)。作詞作曲は川本真琴さん、編曲は石川鉄男さんによりなされました。石川さんは、川本さんの初期の楽曲に大きく関わっているアレンジャーの1人です。
『1/2』の音域的な特徴についてです。同曲は大よそ一般的な女性の声域で歌メロが作られております。ただ、全体的に高音寄りであり、体感的には一般的な女性よりも高いレンジだといえます。そのため、通常はキーを下げた方が歌いやすそうです。低音域には比較的余地があり、キー下げはしやすいです。
同曲は、またサビ等を中心に息継ぎなどが大変な部分があります。意識的にブレスを入れることを心がけた方が安定しそうな気がしました。「早い歌い回し、息継ぎしにくいメロ」といった作風は、意外と今のボカロ作品などとも通じる部分があるかもしれません。
最後に『1/2』の音域についてですが、【地声最低音】mid2B(B3)~【地声最高音】hiC#(C#5)、【裏声最高音】hiE(E5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域と比べ高めです。以下、見ていきます。
まず、地声最低音mid2BはAメロやサビ等で登場します。このmid2Bは女性の音域の範囲内ですが、女性曲の最低音としてはやや高いです。そのため、キー下げはしやすいですが、反面、原曲キーでは全体として高音域が求められます。
次に、地声最高音hiC#についてです。登場回数は20回超と多く、全体を通して要所要所で登場します。その他、上の音域一覧を見ても分かりますが、hiA~hiBの登場頻度が非常に高いです。そのため、通常はキーを下げた方が歌いやすそうです。一つの目安ですが、原曲キーから1~2つ程度下げてみてください。
『1/2』は低音域に余地があり、キー下げはしやすいです。歌い慣れた人であれば、自分の得意なレンジに調整することが可能だといえます。一方で、同曲はBメロサビ等で歌い回しが速く、息継ぎもしにくいです。そのため、ビギナーなどには歌いにくい部分が出てくるかもしれません。慣れてくると楽しい曲でありますが、練習曲としては歌い慣れた人向けだと言えそうです。
『1/2』を原曲キーで歌唱する場合、高音域はhiA~hiC#を安定して歌いこなせる力が求められます。これらは登場頻度が非常に高く、スタミナや器用なブレスなども必要不可欠になります。そのため、「標準より高め~高音域が得意な女性」などが原曲キーに合いやすそうです。
『1/2』はアップテンポのバンド曲であり、カラオケなどでも歌いやすいと思います。個人的には歌詞なども素晴らしく、親しみやすい内容でありながら、川本さんでしか出せないような表現が多く見られると感じました。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。
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