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『花の唄』(Aimer)の音域と感想

こんにちは。今回はAimerさんの『花の唄』(2017)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。

『花の唄』(Aimer)、Hana no Uta

【地声最低音】 mid1G(G3)  ※Aメロ

★やさしい[爪]を残して行った


【地声最高音】 hiD#(D#5)  ※サビ

★私はhiC[きっと][すこ]とは出hiD#[来]ない


【補足】hiC箇所

★帰らぬ日々hiC[を]思うような 奇妙な愛[し]さに満ちた(Bメロ)
★戯れに伸ばされた 貴方の手hiC[に]しがみ付いた(Cメロ)
★つhiA#[め]hiC[たい][な][びら] [よ][る][散]り咲く(サビ冒頭)


『花の唄』(Aimer)








 まず、『花の唄』についてです。この楽曲は『ONE / 花の唄 / 六等星の夜 Magic Blue ver.』のトリプルA面の1曲として、2017年にリリースされました。『花の唄』は梶浦由記さんが作詞作曲・プロデュースをしており、劇場版『Fate/stay night[Heaven’s Feel]』第一章の主題歌にもなりました。
 梶浦由記さんは、2019年のシングル『I beg you』でも楽曲提供・プロデュースを行っており、こちらも同映画作品の主題歌になっております。『花の唄』はAimerさんのYouTube公式チャンネルで公開されており、2019年3月現在1400万回近く再生されており、非常に人気の高い楽曲になっております。

 『花の唄』のサウンドについてです。バンドサウンドとストリングアレンジが印象的な楽曲です。『I beg you』と比較すると、オリエンタルなアレンジは無く、西洋的な印象を感じます。また、メロディーライン、リズムはややゆったりとしています。個人的には1、2番Aメロが非常に耳に残りました。1番と2番ではギターのアレンジが大きく異なります。

 歌詞については、『Fate/stay night[Heaven’s Feel]』のヒロインの一人である間桐桜をテーマにして描かれているそうです。日本で「花」と言われると桜を指すことが多く、桜は日本の国花にもなっております。古文などでも「花」と言われれば、平安以降の作品では多くの場合は桜を指します。『花の唄』というタイトルは、おそらくヒロインの間桐桜さんから由来しているものだと思います。
 
 個人的に好きだと思ったフレーズは、サビの箇所です。この楽曲のサビでは花びらの意味が2つの意味で使われています。1番では「降り積もる雪(悲しみ)」、2番では「光(喜び)」です。お互い全く違う感情や表現ですが、色彩の豊かさを感じました。また、「箱庭の中で息をひそめ季節が行くことを忘れ静かな水底のような時間にいた」というフレーズも非常に美しいと思います。




 さて、『花の唄』の音域についてですが、地声最低音 mid1G(G3) ~地声最高音hiD#(D#5)でメロディーが構成されております。一般的な女性の音域と比較して、高音部がやや高い印象です。サビで登場する最高音のhiD#の部分は裏声などで対処しても良いと思います。

 声が低い女性などは原曲より3つ程度キーを下げる(♭3)と良いと思います原曲キーで歌いたい気持ちもあると思いますが、自分に合ったキーを選ぶのも大切なことです。

 音域以上に重要な点は、『花の唄』の持つ「妖しさ、混沌さ、壮大さ」などをどのように表現していくかにあると思います。『I beg you』や『Black Bird』などでは、Aimerさんの声質とアニメや映画の世界観がオーバーラップしたような「非日常感」が表現されています。逆に、『カタオモイ』、『蝶々結び』などは日常感が非常に強いです。後者は一般的な女性の歌唱でもマッチしやすいと思います。
 
 そうした点において、『花の唄』は『I beg you』などのように非常に難しい楽曲だと思います。音域や正確な歌唱も重要ですが、それ以上に「表現力」というものが強く試されている楽曲だと思います。

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