こんにちは。今回は[ALEXANDROS]の『ワタリドリ』(2015)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。


『ワタリドリ』([ALEXANDROS])、Wataridori


【地声最低音】mid1C#(C#3)  

★「翼仰げば」って人は[云う]


【地声最高音】hiD(D5)  

midF#[僕]等 一心に hiC#[羽]hiD[ば]C#[たい]hiB[て](サビ)


【裏声最高音】hiE(E5) 

hiB[ワ]hiC#[タ]hiA[リ]hiE裏[ド]hiD裏[リ]hiC#裏[の]hiA[様]mid2F#[に]今(サビ)




【補足】mid2F#hiC#辺りの注意箇所

mid2F#[飛]べる者 落ちる者(Aメロ)

m2F#[追]m2G#[い]hiA[かけて と]hiC#[ど]2F#[よう](サビ)
★たhiB[び]A[に]B[発つ]C#[よ]
★えhiB[が]hiA[い]B[て]A[み]C#[せ]A[るよ]

★All this m2F#[time we come] and we grow(Cメロ)
★But we both m2F#[know that this] m2G#[is] m2F#[for] sure
★It's hiA[not the end of the] m2G#[world] m2G#[Well, see you] hiB[one] hiA[day]


『ワタリドリ』([ALEXANDROS])










 まず、『ワタリドリ』についてです。この楽曲は2015年に4人組ロックバンド[ALEXANDROS](アレキサンドロス)によりリリースされたシングル作品です。『ワタリドリ/Dracula La』の両A面シングルとしてリリースされました。このシングルで[ALEXANDROS]は初の週間トップ5入りを果たします。また、同年にリリースされたアルバム『ALXD』にも収録されました。
 『ワタリドリ』はYouTube公式チャンネルでもMVが公開され、2019年5月現在で9200万回以上の再生回数を記録しています。[ALEXANDROS]の作品の中では特に人気の高い作品であると思います。

 『ワタリドリ』のサウンドについてですが、抜けるような青空を思わせるイントロのギターが爽快感を誘います。個人的にはドラムのフレーズが非常に心地よいです。Aメロ~Bメロ辺りは特にそう感じました。この楽曲ではボーカルの川上洋平さんがアコースティックギターを演奏しています。この点について、[ALEXANDROS]がシングル作品でアコギを使うイメージがあまりなかったので、非常に驚いた点でもあります。
 そして、『ワタリドリ』について特筆すべき点はメロディーです。高音域のハイトーンが活きています。地声の最高音はhiDであり、hiC#などの音階も頻出します。この音域が中心になる音楽ジャンルはハードコア、ヘヴィメタルなどになります。ポップソングでは、女性ボーカルがこの音域です。
 しかし、『ワタリドリ』についてはどちらかと言えばポップ寄りの曲です。これはかなり凄いことなのです。ポップな音楽はハードロックなどと比べて最高音が低いことが多いですが、決して難易度が低いわけではありません。ポップのしなやかなボーカルを展開するにはハードロックなどの音階では難しいのです。
 一方、『ワタリドリ』では「ポップな歌メロディー」が「ハードロックのような高音域」で展開されます。サビの音域は女性のポップソングなどに近いです。それだけでも凄いことなのですが、ボーカルの川上洋平さんは強さと爽やかさが同居した声質で歌っているのです。ハードロックやヘヴィメタルのような尖った声ではありません。
 つまり、①ハードロックやヘヴィメタルのような高音域で発声している②それなのにポップソングのような爽快感のある声質という2つの意味で凄いということです。
 




 さて、『ワタリドリ』の音域についてですが、【地声最低音】mid1C#(C#3) ~【地声最高音】hiD(D5) 、【裏声最高音】hiE(E5)でメロディーが構成されております。一般的な男性の音域よりもかなり高いです。

 恐らく、地声でこのキーを歌いこなせる男性は極々少数だと思います。そして、先にも述べましたように、『ワタリドリ』はそれだけでなく、声質の良さも必要になってきます。高音域が出ることはよいことですが、それぞれにあった声域で、声質をしっかり生かすことが一層重要なのではないでしょうか。一般的な男性は迷わずキーを下げた方が良いと思います。低音域については図に示されている以上に余裕があります。例えば、キーを4~5つ下げて(♭4~♭5)、地声の最高音をhiA、hiA#辺りにしてみると良いと思います。ただ、この場合でも、普段歌い慣れていない人の場合は、全く歯が立たないと思いますので、別の曲で歌い慣れてください。

 もし原曲キーが自分の声に合っているのであれば、ぜひともチャレンジしてほしいと思います。この音域付近で良い声が出せて、なおかつ上手く歌いこなせるのであればプロになれうる逸材だと思います。