『3636』(あいみょん)の音域

　まず、『3636』（さんろくさんろく）についてです。この楽曲は、2022年に女性シンガーソングライターのあいみょんさんによりリリースされたアルバム『瞳へ落ちるよレコード』に収録されております。同アルバムには、『裸の心』(過去記事)や『愛を知るまでは』(過去記事)、『ハート』(過去記事)、『初恋が泣いている』(過去記事)などのシングル曲が収められております。
　その中で、『3636』はアルバムの先行曲としてリリースされ、ミュージックビデオも制作されました。また、テレビなどでも披露されており、リード曲のような位置づけの作品といえます。


　『3636』はスローなバンド曲で、ピアノなどが基調となっております。どこか懐かしさが感じられる切ないナンバーであり、女性目線のラブソングとなっております。歌メロはAメロBメロサビと展開し、全体的にメロディアスです。
　タイトルの『3636』は、サビでも登場する宅配ボックスの暗証番号なのではないかと私は解釈しました。ちなみに、あいみょんさんの誕生日も3月6日であります。作詞作曲はあいみょんさん、編曲は【天才バンド】で鍵盤・ベースを担当するSundayカミデさんによりなされました。


　『3636』の音域的な特徴についてです。同曲は、女性曲の範囲内（一部だけ高め）で歌メロが作られております。ただ、同曲は地声のhiC,hiDが登場する場面は多くなく、hiA#が地声高音の中心となります。同曲の低音域については、女声域としてはやや低いため、キーを下げずにhiDを裏声で歌うのもよいのではないかと私は考えました
　ちなみに、同曲は高音域が非常に得意な男性であれば、原曲キーでの歌唱も可能かもしれません。ただ、全体的にしっとりとした作品ですので、男性の場合は通常キーを下げる方が良さそうです。



　最後に『3636』の音域についてですが、【地声最低音】mid1F(F3)～【地声最高音】hiD(D5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域の範囲内（一部は高め）です。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1Fはサビで登場します。また、AメロBメロ辺りではmid1Gがよく見られます。この辺りは、女性の音域の範囲内ですが、人によっては少し歌いにくいかもしれません。高音域が得意な女性などはキーを上げてもよさそうです。

　次に地声最高音hiDはDメロで登場します。登場回数は1回のみです。この1場面は1つの大きな見せ場ですが、地声でのhiDは一般的な女性にとってはやや高い音階になります。そのため、場合によっては裏声hiDなどで歌ってもよいと思います（歌い慣れている方などは頑張って歌ってみるのもよい）。
　ちなみに、私なりの印象ですが、同曲は標準的な音域の女性であれば、原曲キーでもアプローチしやすくいと感じました。高音域に関してはhiA#辺りが多く、地声のhiC以上は少なめです。「標準よりやや低め～標準的な音域の女性」などが原曲キーにマッチしやすいのではないかと推測します。


　『3636』は音域自体が広く、低音域も低めです。よって、低音域が非常に得意な人は別として、通常はキー下げには向きにくい作品といえます。逆に、高音域が得な女性などはキーを上げた方が歌いやすく感じられるかもしれません。
　同曲はリズムなどは難しくなく、メロディーも覚えやすいです。その点では練習曲として使いやすいと思います。音域がマッチしそうな方にはおススメです。


　『3636』はしっとりしたポップナンバーであり、ボーカルの良さが活きやすいです。メロディーなどもよく、練習曲としても比較的使いやすそうに私には感じられました（歌詞も好きです）。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。