『世界のつづき(ウタ from ONE PIECE FILM RED)』(Ado)
【地声最低音】mid1F#(F#3)
★どうして あのhiA裏–m2G#[日]あ]そんだ海のm1F#[に]おいは【Aメロ】
★まm1G#–m1F#[た[お]ん]なじ歌をm2G#–hiA[う[た]うたび【Bメロ】
★あm1F#[さ]を待つ F#–m1G#[こ]の]羽に吹く【サビ】
※厳密にいうと2番Aメロではmid1Eが登場するが重要性は低い
【地声最高音】hiD(D5) ※全体で6回
★あのほhiC#–hiD[し[あ]か]hiB–A[り]を] 海の広さ[を]【サビ】
★(暁の)hiB–hiC#–hiD[か[が[や]く] hiD裏–C#[今日]に]ぃ]ぃ【ラストサビ】
【裏声最高音】hiE(E5) ※サビで登場
★追hiB[い]hiC#–hiD地[か[ぜ]の] B裏-C#–D–hiE[い[ざ[な[う]そ]ら[を]C#【サビ】
【補足】mid2G#(一部のみ)~hiBを含むフレーズ一覧
★hiB–hiA[し]ん[じ]ら[れ]る] m2G#[し]んじられる【サビ】
まず、『世界のつづき(ウタ from ONE PIECE FILM RED)』についてです(以下、『世界のつづき』)。この楽曲は、2022年に女性歌手のAdoさんによりリリースされたアルバム『ウタの歌 ONE PIECE FILM RED』に収録されています。アルバムは楽曲の質とアニメの話題性が相まって、25万枚を超えるCDセールスを記録し、日本レコード協会よりプラチナ認定がされました。今の時代にアイドルではない歌手のCDがこれだけ売れるのは異例だと思います。
アルバム『ウタの歌』に収録されている楽曲はほぼ全てミュージックビデオが作られており、『世界のつづき』についても、アルバムのリリースから数週間してAdoさんのYouTube公式チャンネルでMVが公開されました。そうした点も話題性に貢献したと思います。楽曲の質とアニメの話題性が相まって、2022年12月現在、約1600万回もの再生回数を記録しております。
『世界のつづき』は先述のように、『ONE PIECE FILM RED』の劇中歌として書き下ろされました。同アニメの劇中歌は、中田ヤスタカさんによる『新時代』(過去記事)、Mrs. GREEN APPLEによる『私は最強』(過去記事)、Vaundyによる『逆光』(過去記事)、澤野弘之さんの『Tot Musica』(過去記事)などの話題曲が多く生まれております。
今回取り上げる『世界のつづき』については、男性シンガーソングライターの折坂悠太さんが作詞作曲、編曲を川口大輔さんが担当されております。折坂さんについては、当ブログでは以前に『朝顔』(過去記事)という作品を取り上げました。川口さんはCHEMISTRYや中島美嘉さんへの楽曲提供で知られております。最近ではToshIさんのカバーアルバムのアレンジなども担当されております。
『世界のつづき』の音域的な特徴についてです。同曲は、一般的な女性の音域と比べ、「高め」のレンジで歌メロが作られております。同曲は、サビで地声hiDが登場する等しますが、それ以外では地声hiC以上の高音域が求められる場面は限定されます。そのため、地声最高音hiDの作品としては取っ付きやすいのではないかと私は分析しました。
Adoさんの高音はパワフルですので、今作でもそうした発声ができると原曲のニュアンスに近づきやすそうです。ジャンルとしてはロックやソウルなどを歌い慣れている人は、感覚をつかみやすいのではないかと思います。
一方、同曲の低音はmid1F#辺りが多く、女性曲としては低音感があります。そのため、高音域が得意な女性などはキーを上げるのもいいかもしれません(Adoさんとは違ったニュアンスにはなるかもですが)。
最後に『世界のつづき(ウタ from ONE PIECE FILM RED)』の音域についてですが、【地声最低音】mid1F#(F#3)~【地声最高音】hiD(D5)、【裏声最高音】hiE(E5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域と比べ、高めです。以下、見ていきます。
まず、地声最低音mid1F#については、Aメロやサビ等広く登場します。このmid1F#は女性の音域の範囲内ですが、今回は登場回数も多く、低音域が苦手な方は少し歌いにくそうです。高音域が得意な女性などはキーを上げるのもよいと思います。
次に、地声最高音hiDについては、サビを中心に登場します。登場回数は6回程度です。この辺りは女性の音域としては高めであり、通常はキーを下げた方が歌いやすいと思います。ただ、私なりの印象ですが、このhiDは声を強く張るような歌い方をされております。そうした発声に慣れている人は意外と原曲キーでも歌えるのではないかと思います。歌い慣れた人などは、原曲キーでチャレンジするのも良さそうです。
『世界のつづき』は低音域も低めであり、キーを下げる余地は多くありません。そのため、人によってはキー調整をしても歌いにくい部分が出てくるかもしれません。音域が広い分、低音~高音まで広く要求されますが、その分、体力的にはゆとりを持ちやすそうに私は感じまいた(終盤は少し辛くなるかも)。
『世界のつづき』を原曲キーで歌唱する場合、hiA~hiDといった高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。hiDは女性の音域としては少し高めですが、このhiD以外の場面では地声高音はhiBとなります。そのため、上のピアノ画像が示すよりは高音は辛くないのではないかと私は推測しました。そのため、「標準よりやや高め~ある程度高音域が得意な女性」等が原曲キーに合いやすいと私は考えております。逆に、地声のhiEなども難なく歌える「高音域が非常に得意な女性」などは原曲キーだとやや歌いにくいかもしれません。
『世界のつづき』はバラード曲であり、ボーカルの良さが活きやすい楽曲です。音域がマッチする方には練習曲としても使いやすいのではないかと思います。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。