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『Tot Musica』(Ado)の音域 「ONE PIECE FILM RED』挿入歌

 

こんにちは。今回はAdoさんの『Tot Musica(ウタ from ONE PIECE FILM RED)』(2022)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回はリクエストによる選曲です。
 なお、今回はルーン文字が用いられており、その部分についてはカタカナ表記にしてあります。発音などは正確ではないと思いますが、その点についてはご了承ください。


『Tot Musica(ウタ from ONE PIECE FILM RED)』(Ado)
『Tot Musica(ウタ from ONE PIECE FILM RED)』(Ado)の音域







【地声最低音】mid1F(F3) ※全体で1回

★雨打つ心 さm1F#[ま]よう何処(いずこ)【Aメロ】
★その身が尽きるまで奏でよ m1F[ゆ]め見うつつ崇めよ【ラストサビ[オク下げ]】

※低音域が苦手な方などはmid1Fに厳密にこだわらなくてもよい


【地声最高音】hiD(D5)  ※全体で4回程度

hiA#[ガー]ザンhiC#[タック][ガー]ザンC#[タッタッ]hiD[ブラーク]【イントロ】


【補足】hiAhiC#を含むフレーズ一覧

m2G[枯れ果てず湧く]hiA#G[ね][い][なみ]だ]【Aメロ】

★そhiA#[の傲]岸 無hiC#hiC[れ]い][などうこ]C[く]【サビ】
m2GhiAhiA#[い[ざ[無]礙]に] [Blah blah blah!]

hiA#[無条]A#[絶][げ][昂なら] A#hiA[Sin]ging] the song【サビ後半】
★(如何せん罵詈雑言でも)hiChiA#[Sing]ing] the song
★怒れ 集え うたhiA#[え] はめA#hiC[つのう[た]を]

 まず、『Tot Musica(ウタ from ONE PIECE FILM RED)』(トットムジカ)についてです(以下、『Tot Musica』)。この楽曲は、2022年に女性歌手のAdoさんによりリリースされたアルバム『ウタの歌 ONE PIECE FILM RED』に収録されています。ミュージックビデオも制作されており、アルバムのリリース直後にAdoさんのYouTubeチャンネルで公開されました。アニメ映画の話題性も相まって、2022年9月現在、2000万回を超える再生回数を記録しております。

 『Tot Musica』は先述のように、『ONE PIECE FILM RED』の劇中歌として書き下ろされました。FILM REDの劇中歌は、中田ヤスタカさんによる『新時代』(過去記事)、Mrs. GREEN APPLEによる『私は最強』(過去記事)、Vaundyによる『逆光』(過去記事)、FAKE TYPE.の『ウタカタララバイ』など話題曲が多く生まれております。今回の『Tot Musica』については、作曲編曲を澤野弘之さんが担当しております(作詞はcAnON.さん)。澤野さんは『進撃の巨人』などを含め、映画やドラマ、アニメの劇伴を担当しており、海外でも広く知られております。


 『Tot Musica』はミドルテンポのバンド曲です。全体的におどろおどろしさが強調されております。ボーカルについては、Adoさんのがなり声などが非常に活きております。また、歌詞の一部にルーン文字が用いられております。ルーン文字はスカンジナビア地方では中世~近代初期まで長く使用されていたそうです。スカンジナビアはヴァイキングが有名でもありますので、ONE PIECEの世界とも通じる部分があるのではないかと思います。

 『Tot Musica』の音域的な特徴についてです。同曲は女性の音域としてはやや高めのレンジで歌メロが作られております。原曲キーで歌える人も多いかもしれませんが、場合によっては少しキーを下げてもよいと思います。ただ、音域自体が広いため、大きなキー下げには向きにくいです。
 ちなみに、男性が同曲を歌唱する場合、同然キーを下げた方が歌いやすいです。ただ、私なりの印象ですが、ロックやハードコア系の楽曲に慣れている「高音域が得意な男性」などは、意外と原曲キーに近いレンジで歌唱することも可能ではないかと推測しております。



 最後に『Tot Musica(ウタ from ONE PIECE FILM RED)』の音域についてですが、【地声最低音】~【地声最高音】hiD(D5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域よりやや高めです。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid1Fはラストサビで登場します。ここは、通常サビの1オクターブ下のメロを歌っており、その分低いレンジが多く登場します。ただ、私なりの印象ですが、最低音mid1Fに厳密にこだわりすぎなくてもよいのではないかと思います。個人的には、1番Aメロ等で登場するmid1F#辺りが歌えると低音は形になりやすいです。

 つぎに、地声最高音hiDについては、イントロとアウトロで登場します。登場回数は4回程度です。このhiD#は女声としてはやや高いレンジになります。ただ、声をかなり張っているため、不可能というわけではないですが、場合によっては少しキーを下げることも選択肢に入れてください。一つの目安ですが、高音域が苦手な方は、原曲キーから1~2つ程度下げるとより歌いやすくなると思います。


 『Tot Musica』は低音域が低めであり、大きなキー下げには向きにくいです。歌い慣れた人ならば良いかもしれませんが、ビギナーなどはキーを調整しても一部で歌いにくい部分が出てくるかもしれません。Adoさんの歌唱表現なども考慮すると、歌い慣れた人向けの楽曲と言えます。

 同曲を歌唱する場合、地声最高音でhiDが4回程度登場するため、女性の音域としてはやや高いです。そのため、「標準よりやや高め~ある程度高音域が得意な女性」が原曲キーにマッチしやすそうです。逆に「高音域が非常に得意」な女性だと、キーを上げた方がより歌いやすいのではないかと思います。
 私なりの印象ですが、同曲はかなりロック色が強い作品で、Adoさんも声をかなり張り上げております。そのため、ロック系の曲などに慣れている方は意外と原曲キーに到達しやすいです。そのため、比較的努力が結実しやすく、高音域が得意でない方も少しずつ練習を重ねる価値があると思います。
 一方で、Adoさんの細かい歌唱表現などは今作でも健在であり、巻き舌なども交えてテクニカルに歌唱されております。そうした歌唱をするためには力量が求められます。そのため、音程のみを追求しても、原曲に近い表現にはなりにくいです。その点は留意しておいてください。


 『Tot Musica』はAdoさんのパワフルな歌唱が印象的な楽曲であり、カラオケ等で歌いこなせると非常に映えると思います。また、Adoさんの声域は滅茶苦茶には高くないので、歌唱表現の参考になる部分も多いと思います。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。

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