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『シルエット』(KANA-BOON)の音域 [2014年の作品]

こんにちは。今回はKANA-BOONの『シルエット』(2014)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回は自選曲です。


『シルエット』(KANA-BOON)、Silhouette(KANA-BOON)
『シルエット』(KANA-BOON)の音域







【地声最低音】mid2A(A3) 

※サビで登場。【補足】を参照ください。


【地声最高音】hiA(A4)  ※楽曲の後半で登場、8回程度

hiA[ひ]m2F#[ら]りとA[ひ][ら]りとhiB裏[舞][っ]てる【Cメロ】
★木の葉のm2F#[様に][れう]ことなく焦燥もなく過[ごし]ていm2G[たい]hiA[よ]

hiB裏-hiA[消]え]BA[消]え]ぬシm2G[ル]hiA[エ]m2F#[ト]【ラストサビ】
★(どんな時も)離hiA[さ]m2F#[に]
★守りm2F#[続]けよう そしたらいm2G[つ]hiA[の]F#[日]にか


【裏声最高音】hiB(B4) ※全体的に多い

m2E[ぼ][ら]hiBhiA[な]に]BA[な]に]もまだ知[ら]【Aメロ】
★うm2F#-だって[ぇ]F#[だっ][ぇ]hiB[だっ]F#[て]【Bメロ】
hiA[ひ]m2F#[ら]りとA[ひ][ら]りとhiB裏[舞][っ]てる【Cメロ】


【補足】mid2F#hiAを含むフレーズ一覧

m2F#[いっ]せーm2E{のー][せ]F#[踏み][込][ゴー]hiA裏{ライン]【Aメロ】
★煌めく汗m2E[が こぼ]m2F#[れ][る][さ]【Bメロ】

★おm2A[ぼ]m2F#[てない]m2E[こ][も]【サビ】
m2E[た]m2A[く][ん]m2G[あっ]m2F#E[た][ろ]う]

 まず、『シルエット』についてです。この楽曲は、2014年にロックバンドKANA-BOONによりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、2015年の『TIME』に収められております。同アルバムには、『フルドライブ』や『結晶星』などメジャーデビュー初期の人気曲も収められております。同アルバムは、バンドとしては初の週間トップ5にランクインしました。

 『シルエット』は岸本斉史さんの漫画を原作としたアニメ『NARUTO -ナルト- 疾風伝』のオープニングテーマとして書き下ろされました。楽曲の質も相まって、配信では25万ダウンロードを超え、日本レコード協会よりプラチナ認定されております(引用元)。また、YouTube公式チャンネルでは2021年12月現在、7500万回近い再生回数を記録しております。KANA-BOONはNARUTOシリーズとも縁が深く、これまでに『ダイバー』、『バトンロード』といった楽曲を書き下ろしました。

 NARUTOシリーズは日本国内では累計発行部数が1億5000万部、日本を除く世界でも1億部弱の記録を保持しており、世界的に人気の高いバトルアクション漫画です。そうしたこともあってか、主題歌にも人気が集まっております。Spotifyの「2021年に海外で最も再生された日本のアーティストの楽曲」でも、この『シルエット』といきものがかりの『ブルーバード』(過去記事)がランクインしております(引用元)。今回『シルエット』を取り上げようと考えたのは、国内はもちろん、海外でも大きな人気がある曲だということを私自身再認識したからであります。


 さて、『シルエット』はアップテンポのバンドナンバーです。KANA-BOONは高BPMの四つ打ちナンバーが特徴的なバンドでもあり、同曲はそうした傾向がよく見られます。ライブなどでも非常に盛り上がりそうな作品だと思います。
 歌メロについては、AメロBメロサビといった形で作られております。アニメの主題歌ということもあってか、全体的にハイな作品となっております。こうした特徴もあってか、歌う側としては非常に体力が求められる作品ともいえます(詳細は後述)。


 『シルエット』の音域的な特徴についてです。同曲は、男性としては高いレンジで歌メロが作られております。高音はもちろんですが、最低音も男性曲としては高いため、「スタミナがごりごり削られる系の曲」だと私は分析しました(高音域が非常に得意な方は歌っていて気持ちの良い曲かもしれません)。よって、一般的にはキーを下げた方が歌いやすいです。また、声域的には女性も合いやすいと思います。


 最後に『シルエット』の音域についてですが、【地声最低音】mid2A(A3)~【地声最高音】hiA(A4)、【裏声最高音】hiB(B4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域よりも高いです。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid2Aについてはサビで登場します。同曲は、男性曲としては地声最低音が高く、そのため、曲全体を通して高めの音が多く登場します。
 これまで当ブログでも多くの楽曲を取り上げてまいりましたが、「地声最低音がmid2Aの男性曲」はほぼ「キーの高い男性曲」となります。そのため、男性にとっては曲歌い切るのがしんどい作品ではないかと思います。反面、女性は原曲キーでも合いやすいです(キーを上げてもよい)

 一方、地声最高音hiAについては、Cメロとラストサビで登場します。登場回数は8回程度なので、滅茶苦茶には多くないですが、地声hiAの全て楽曲の後半での登場ですので、高音域が得意な歌い慣れた人であっても終盤辺りはしんどいのではないかと思います。一般的にはキーを下げた方が歌いやすいです。目安としては、原曲キーから2~3つ程度下げてみてください(♭2~♭3)。


 『シルエット』は音域自体はそこまで広くありませんので、キー下げなどはしやすいです。大きなキー調整に抵抗がなければ、歌い慣れていない人向けの調整も可能だと思います。
 一方で、同曲は、間奏などが短く、その分持久力などが求められます。また、歌メロが速いですので、歌詞などをしっかり覚えておくことも必須です。最近のJ-POPの特徴でもありますが、息継ぎがしにくい場面もありますので、「どこで息継ぎするか」といったことも頭に入れておくとよいと思います。
 よって、『シルエット』は音域面では練習曲にしやすいですが、リズムや息継ぎなどの面で、少しハードルがあります。その点は留意しておいてください。

 『シルエット』を原曲キーで歌唱する場合mid2F#~hiA(hiB)辺りをしっかり歌いこなせる力が求められます。歌い出しが【m2F#[いっ]せーm2E{のー][せ]F#[踏み][込][ゴー]hiA裏{ライン]】となるように、最初から最後まで中高音域が非常に多く、スタミナが必要不可欠な作品となります。間奏が短い点もハードルです。それらを踏まえて、練習に励んでください。声域的には、高音域が(非常に)得意な男性、もしくは女性が合いやすいです。

 『シルエット』はアップテンポの作品で、ライブやカラオケでも盛り上がりやすい楽曲です。原曲キーで歌いこなすのは大変ですが、興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。

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