『Blue Velvet』(工藤静香)の音域　『ドラゴンボールGT』ED曲

　まず、『Blue Velvet』（ブルー・ベルベット）についてです。この楽曲は、１９９７年に女性歌手の工藤静香さんによりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、翌年にリリースされた『I’m not』に収録されました。同アルバムは、全１０曲ともシャ乱Qのはたけさんがプロデュースしたものとなっております（作詞は愛絵理【工藤静香さんの作詞家名義】が担当）。

　さて、『Blue Velvet』はテレビアニメ『ドラゴンボールGT』のエンディングテーマとしてタイアップが付き、大きな知名度を獲得しました。CDシングルとしては２５万枚ほどのヒットを記録します。また、過去に倖田來未さん、鬼頭明里さんにカバーもされております。
　ちなみに、『ドラゴンボールGT』は原作漫画にはないオリジナルストーリーですが、高い視聴率を記録しました。また、海外などでも人気が高いそうです。


　『Blue Velvet』はミドルテンポのバンド曲です。シリアスかつ艶っぽいニュアンスのある作品であり、こうした点は工藤さんの人気曲の作風とも近いと思います。歌メロはAメロBメロサビと展開します。
　同曲の作詞は愛絵里さん（工藤さんの作詞家名義）、作曲編曲ははたけさんによりなされました。はたけさんは、つんくさんらと結成したシャ乱Qのギタリストやプロデュースでも知られます。また、シャ乱Qの作品でも作曲を手掛けており、『シングルベッド』、『空を見なよ』、『上・京・物・語』といった人気作に生み出しました。


　『Blue Velvet』の音域的な特徴についてです。同曲は女性の音域のとしての範囲内、もしくはやや高めのレンジで歌メロが作られております。一般的な女性は原曲キーでも歌唱可能かもしれませんが、場合によってはキーを下げるのもよいと思います。
　同曲は、最低音がmid2C#と高く、相対的に中高音域の登場回数が多いです。そのため、標準的な女性だともしかしたら少し体力的に辛くなりやすいかもしれません。ちなみに、工藤静香さんのセルフカバー、倖田來未さんは原曲キーよりも１つ低いキーで歌唱されております。それらもキー調整の参考になりそうです。

　ちなみに、『Blue Velvet』を男性が歌唱する場合、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。ただ、今回はロックっぽいアレンジが似合う作品でもあります。そのため、「高音域が非常に得意な男性」だと原曲キーでチャレンジできる人もいるのではないかと推測されます。



　最後に『Blue Velvet』の音域についてですが、【地声最低音】mid2C#(C#4)～【地声・裏声最高音】hiC#(C#5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域の範囲内、もしくはやや高めです。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid2C#はBメロやサビで登場します。今回登場するmid2C#は女性曲の最低音としても高いため、相対的に中高音域の登場回数が増えます。そのため、高音域が得意でない方は体力的にしんどくなりやすいかもしれません。

　次に、地声最高音hiC#はサビで登場します。登場回数は７回程度です。このhiC#は女性の音域としてはやや高く、人によってはキーを下げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから１～２つ程度下げてみてください。


　『Blue Velvet』は低音域に余地があり、キー下げはしやすいです。同曲は音域が１オクターブと広くなく、キー調整の融通が利きやすいです。よって、キー調整が許容できるのであれば、練習曲としてもかなり使いやすい楽曲ではないかと思います。個人的にはおすすめしたい１曲です。

　『Blue Velvet』を原曲キーで歌唱する場合、hiA#～hiC#といった高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。先述のように、同曲は中高音域も多く、体力的にしんどくなりやすいです。これらを踏まえると、「標準よりやや高め～ある程度高音域が得意な女性」が原曲キーに合いやすいと私は判断しました。


　『Blue Velvet』は音域自体が広くなく、カラオケなどでも歌いやすいと思います。また、ドラゴンボール作品の主題歌ということもあり、ファンにとっては思い入れのある楽曲かもしれません。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。