『第一次世界』( NEE ) の 音域

　まず、『第一次世界』（だいいちじせかい）についてです。この楽曲は、２０２１年にロックバンドNEEによりリリースされたアルバム『NEE』に初収録されました。アルバムのリード曲であり、ミュージックビデオも制作・公開されております。
　アルバム『NEE』には、当ブログでも取り上げた人気曲『不革命前夜』(過去記事)、『アウトバーン』、『九鬼』、『ボキは最強』、『下僕な僕チン』などのシングル曲が収録されております。

　『第一次世界』はアルバム『NEE』のリード曲です。そうしたこともあってか、シングル曲と負けないくらいの普遍性のある楽曲に仕上がっております。歌メロはAメロBメロサビといった構造があり、その点でも親しみやすいと思います。ちなみに、2番Aメロはラップパートとなっております。作詞作曲はボーカル＆ギターのくぅさんによりなされました。


　『第一次世界』の音域的な特徴についてです。同曲は男性の音域としてはかなり高いレンジで歌メロが作られております（サビは他のバンドメンバーが担当しているのかもしれません）。一般的にはキーを下げた方が歌いやすいのですが、同曲は音域自体がかなり広いため、キーを下げる余地は少ないです。
　同曲はDメロが特に低く、lowG,mid1Aといった音階が登場します。そのため、女性や高音域が得意な男性などは「1オクターブ上のメロ」を歌ってもよいかもしれません。また、複数人でボーカルを担当するのも選択肢です。1人で歌うの至難です。今回は音域がかなり広い楽曲ですので、1人で原曲に近い表現をしようとすると、歌える人が限られるのではないかと思います。

　ちなみに、同曲を女性が歌う場合、Dメロの低音がハードルになります。その場面については、先述のように1オクターブ上を歌唱するのがよいのではないかと思います。その場面以外ではAメロでmid1Dが登場し低いです。キー調整をするにしても広いレンジが要求され、男性同様1人で歌うのは大変です。



　最後に『第一次世界』の音域についてですが、【地声最低音】lowG(G2)～【地声最高音】hiD(D5)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べかなり高く、音域も広いです。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音lowGはDメロで登場します。この辺りはmid1Aとコンボになっており、男性にとってもかなり低いです。通常はキーを上げた方が歌いやすいのですが、今回は音域が広くキー上げをするのは難しいです。そのため、もし可能ならば1オクターブ上のレンジを歌唱するのもよいと思います。

　次に、地声最高音hiDはサビで登場します。登場回数は4回です。また、同曲はhiBが全体で12回登場します。この辺りは男性の音域としてはかなり高いです。通常はキーを下げた方が歌いやすいですが、同曲は音域自体がかなり広いため、キーを下げる余地はあまりありません。そのため、可能であれば、高音パートは女性や高音域が得意な男性がを担当するのが良いと思います。


　『第一次世界』は音域自体がかなり広く、通常はキー調整の余地がありません。先述のように、Dメロの一部をオク上げで歌唱すると少し楽になりますが、1人で歌唱するには非常に難易度が高いです。私個人の見解としては、複数人でボーカルを担当するのがよいのではないかと推察しております。

　同曲を複数人で歌う場合、1人は「標準～高めの音域の女性（もしくは高音域が非常に得意な男性）」、もう1人は「標準的な音域の男性（lowGなどの低音域がしっかり歌言えることが必須）」などがマッチしやすいと思います。


　『第一次世界』は1人で歌うには難易度が高い作品ですが、楽曲自体は非常に楽しく、バンドの潜在力が感じられる1曲だと感じました。ネクストブレイクアーティストとして名前の挙がることも多いNEEですが、興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。