『渚にまつわるエトセトラ』( PUFFY ) の 音域

　まず、『渚にまつわるエトセトラ』についてです。この楽曲は、１９９７年に２人組女性歌手グループのPUFFYによりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、翌年にリリースされた『JET CD』に収録されました。同アルバムには、『これが私の生きる道』、『サーキットの娘』、『愛のしるし』(過去記事)などの人気シングルが収められ、１５０万枚を超える売上枚数を記録しました。また、日本国外でもヒットし、２０万枚のCDセールスを記録しているそうです。

　さて、『渚にまつわるエトセトラ』は清涼飲料水のCMソングとしてタイアップが付いたミドルテンポのなポップです。デビュー曲の『アジアの純真』と同様に、作詞を井上陽水さん、作曲編曲を奥田民生さんが担当し話題を呼びました。CDセールスとしては出荷ベースで１００万枚を超え、日本レコード協会よりミリオン認定がなされました。２０１６年に紅白歌合戦に出場した際は、この楽曲が披露されております。
　同曲は、AメロBメロサビと歌メロが展開されます。全体的に親しみやすいメロディーであり、私自身も何度か聴いていると自然と口ずさめるようになりました。ちなみに、サビメロの一部は山下達郎さんの『さよなら夏の日』(過去記事)のイントロがオマージュされております。


　『渚にまつわるエトセトラ』の音域的な特徴についてです。同曲はおおよそ一般的な女性の音域の範囲内、もしくは若干高めで歌メロが作られております。低音域に余地があるため、場合によってはキーを下げて歌うのもよいと思います。
　同曲は最低音がmid2Bであり、女性曲としてはやや高いです。そのため、最高音こそこそまで高くないものの相対的にhiAなどの中高音域の登場回数が多くなります。よって、見た目の音域よりも高く感じやすいのではないかと思います。逆に、最低音が高い分、高音域が得意な女性などにはマッチしやすそうです。場合によっては、PUFFY同様に複数人で歌うのも楽しいかもしれません。

　ちなみに、同曲を男性が歌う場合、通常はキーを下げた方が歌いやすいと思います。高音域が非常に得意な男性だと原曲キーで歌えなくもなさそうですが、大抵の人はキーを下げた方が自身の声域を癒しやすいと私は推測しております。



　最後に『渚にまつわるエトセトラ』の音域についてですが、【地声最低音】mid2B(B3)～【地声最高音】hiC#(C#5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域の範囲内、もしくはやや高めです。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid2BはサビやBメロで登場します。このmid2Bは女性の音域の範囲内です。ただ、女性曲の中ではやや高い分、hiA以上の中高音域の頻度が高くなりやすいです。

　次に、地声最高音hiC#はサビで登場します。登場回数は3回程度です。このhiC#は人によってはやや高いレンジになります。今回はhiA以上の回数も多いため、相対的に中高音寄りで、スタミナが求められそうです。原曲キーで歌唱できる人も多いかもしれませんが、見た目よりの高音感があるため、キーを下げることを選択肢に入れてもよいと思います。一つの目安ですが、原曲キーから１～２つ程度下げてみてください。


　『渚にまつわるエトセトラ』は低音域に余地があり、キー下げはしやすいです。同曲は音域もそこまで広くなく、キー調整に融通は利きやすいです。そのため、キー調整に抵抗が無ければ、練習曲としても使いやすいと私は分析しました。メロディー自体も親しみやすく、ビギナーの練習曲にもおススメです。

　『渚にまつわるエトセトラ』を原曲キーで歌唱する場合、mid2G#～hiC#といった中高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。今回は全体的にhiA以上の割合が高く、中高音寄りの印象です。こうしたことを踏まえると、「標準より(やや)高め～高音域が非常に得意な女性」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました（1人で歌う場合）。「標準的な音域の女性」も原キーでの歌唱が可能だと思いますが、もしかしたら体力的に辛くなる人もおられるかもしれません。その辺りは実際に歌唱してみてください。


　『渚にまつわるエトセトラ』は原キーでも比較的取っつきやすく、またキー調整もしやすいです。曲の雰囲気も明るく、カラオケに向きやすいと思います。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。