『エンドロール』(Amber’s)
【地声最低音】mid2A(A3)
★m2F#[つ]まり[単]純なあm2A[い]ではない【Bメロ】
★m2F#[Thank] youじゃもm2A[の]足りない【通常サビ】
【地声最高音】hiD(D5) ※Dメロで1回
★一生hiB–A[か]けて] [つhiD地–C#[たえ]た][い]【Dメロ】
【裏声最高音】hiD#(D#5) ※ラストサビで1回
★君のおかげでいろhiC–hiD–hiD#[ど[る[世]界]で【ラストサビ[転調₊1]】
【補足】mid2G~hiC#を含むフレーズ一覧
★m2F#–m2G[君と出[会っ]て]から【Aメロ】
★一にm2F#–G^hiA[ちの終わり[がは]や[く[感]じる
★m2F#[退]屈も[憂]鬱も追い[つけG[な]い]G–hiA[ス[ピー]ド[なん]だ
★m2F#–m2G[あ[た]ま]の中m2A[繰]り2A–G–F#^[か[えす]自[問]自]答【Bメロ】
★hiA–m2G[まだま]だ]足[りA[ない 収]まり]切[らA[ない]【Dメロ】
★“ありがとう” なんてm2G–hiA–F#[たった[5]文]字じゃ
★君へのおm2G–F#[もい]は]こんなもんじゃない
★Spe[cialに詰]]m2Gめ[込hiB–hiC#地^-hiA–hiA#[む[く]らい]だぁぁ[ああ]
★hiA#–m2G#–G[毎晩き]み]の]こ[とを] 考えてしまう癖[がG#[つい]た]よ【ラストサビ[転調₊1]】
★G[ど]れも仮初めじゃm2G#[ない]も]の[特G#[別な気]持[ちhiC地–hiA#[なん]だ]
★まhiC地–hiA#–G[ぶ]た]の]う[ら]に流れるエンドロールに君の名前が光ってる
★m2G[Thank] youじゃ物足りない この想いを伝えた[いG#[ぜ]んぶ]
まず、『エンドロール』についてです。この楽曲は、2人組音楽ユニットAmber’s(アンバーズ)によりリリースされたシングル作品です。配信限定のシングルとしてリリースされたのちに、CDシングルとしてリリースされました。最新作であるため、アルバムには未収録です。ちなみに、Amber’sは現在CDシングルの発売を記念して、東名阪および東日本でリリースイベントを行っているそうです。
さて、『エンドロール』は宮島礼吏さんの同名漫画を原作としたアニメ『彼女、お借りします』の3期のエンディングテーマとして書き下ろされました。同漫画は2017年に連載が開始され、2023年現在、累計発行部数1100万部を超える人気のラブコメ作品となっております。ちなみに、当ブログでも以前にthe peggiesの『センチメートル』(過去記事)を取り上げております。
『エンドロール』はアッパーなバンド曲です。頭サビで歌メロが始まり、AメロBメロサビと展開、ラストサビでは転調が行われキーが1つ上がります。同曲は全体的にメロディアスかつポップな作品であり、多くの人になじみやすいのではないかと思います。ボーカル担当の豊島こうきさんの女性性の強いクリーンな声質も非常に魅力的です(私自身はミュージックビデオを確認するまでは女性ボーカルかと勘違いしていました)。
同曲の作詞は豊島さん、作曲はAmber’s、編曲はAmber’sと奈良悠樹さんによりなされました。奈良さんは声優などの歌手を中心とした作曲編曲、またドラマやアニメの劇伴なども手掛けております。
『エンドロール』の音域的な特徴についてです。同曲は男性の音域としては高い(orかなり高い)レンジで歌メロが作られております。低音域には余地があるため、一般的な男性はキーを下げた方が歌いやすいです。
同曲は最低音がmid2Aと高く、相対的にmid2F#以上の中高音域が非常に多く登場します。そうしたこともあり、高音域が得意な男性でもスタミナが不可欠となります。また、ボーカルが女性のような声質であるため、そうした表現まで追求すると、男性にとってはかなり高音感がある楽曲なのではないかと私は感じました。音域的だけでなく、声質的にも女性曲に近い作品だと思います。
同曲を女性が歌唱する場合、個人差はありますが、原曲キーがマッチするという人も多いのではないかと推測されます。最高音はhiDですが、mid2G~hiA等の頻度が高いため、「標準よりやや低め~標準よりやや高め音域の女性」などより歌いやすいのではないかと私は推測しております。ある程度高音域が得意な女性だとキーを上げた方がより歌いやすいと思います。
最後に『エンドロール』の音域についてですが、【地声最低音】mid2A(A3)~【地声最高音】hiD(D5)、【裏声最高音】hiD#(D#5)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、高い(もしくは「かなり高い」)です。以下、見ていきます。
まず、地声最低音mid2AはBメロや通常サビで登場します。この辺りは男性の音域の範囲内です。ただ、最低音がmid2Aとなる男性曲は、ほぼ「一般的な男性にとってはキーが高い曲(要スタミナ)」となります。今回の『エンドロール』についてもそうした傾向が明確に当てはまりそうです。
次に、地声最高音hiDはDメロで登場します。登場回数は1回のみです。hiDに次ぐ高音としては、hiC#がピークとなる場面が全体で1回、hiCが2回、hiBが6回程度登場します。こうしたことから、男性の音域としては高く、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。ただ、今回は最高音がかなり高いため、大きなキー調整が必要になります。
『エンドロール』は低音域に余地があり、キー下げはしやすいです。ただ、同曲は最高音が高く、一般的な男性が歌唱するためには大きなキー下げが必要になります。また、男性曲というよりは女性曲のような声質であるため、キーを下げ過ぎると原曲のようなニュアンスが残りにくいです。その点で、一般的な男性には歌いにくい楽曲といえるかもしれません。高音域が得意かつ中性的な声質の男性の方がマッチしやすいといえます。
同曲はメロディー自体は非常に覚えやすいです。一方、最近のJ-POPの多くがそうであるように、同曲もメロとメロの間隔が短く、息継ぎがしにくいです。場合によっては複数人で歌唱するのも場合によっ選択肢だと思います。
『エンドロール』を原曲キーで歌唱する場合、mid2G~hiDといった中高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。今回は曲全体のほとんどのフレーズでmid2F#以上の中高音階が含まれており、高音域が得意な男性でもスタミナが不可欠になります。また、女性性を思わせる声質なども考慮すると、見た目の音域以上に大変な作品ではないかと私は推測しております。
こうしたことを踏まえると、「高音域が非常に得意な男性」、「標準よりやや低め~標準より高めの音域の女性」などが原曲キーにマッチしやすいと私は判断しました。今回は声質などを考慮すると、女性の方が合いやすいかもしれません。
【まとめ】
①全体的に中高音寄りで、サビやDメロはほぼ女性域
②ボーカルの声質が女性っぽく、その点も含めると男性が歌うのは非常に大変
③原キーだと「標準よりやや低め~標準より高めの音域の女性」などが合いそう
④男性だと「高音域が非常に得意な男性」向け
⑤メロは分かりやすいが、息継ぎがしにくい(2人以上で歌うのもよい)