『夢みるスーパーマン』( Saucy Dog ) の音域

　こんにちは。今回はSaucy Dogの『夢みるスーパーマン』(２０２３)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回はリクエストによる選曲です。

『夢みるスーパーマン』(Saucy Dog)

【地声最低音】mid1D#(D#3)　※全体で１回のみ

★m1G#–m1F[あ[ぁ]も[う]やん]なっちゃった[よ]ぉ【Aメロ】
★m1D#–m1F–G[悪]魔が]横]で嘲笑って1G[る]
★憧れだったりm2F[たわ]ご[と]だったりカ1F[ゴ]の[な]か[に]入れといて【Ｂメロ】

【地声最高音】hiC#(C#5)　※全体で２回

★あいつら言いたいhiA#[ぃ] [放]題振りま[わ]してやかまhiC#地–C[しい]な]【サビ】
★hiC#地–C[ヒー]ロー] ねぇおA#–hiC^[ね[が]い[ぃ]【ラストサビ】

【裏声最高音】hiD#(D#5)　※Bメロとラストサビ

★m2G#[スー]パーマン[になhiA#地–hiD#裏[り[た]かっ]た]【 Bメロ】
★hiC地–A#[僕]を]こC裏–C#–hiD#[こ[から[出し]hiC地[て]よ]【ラスサビ】

【補足】mid2G#(一部略)～hiC#を含むフレーズ一覧

★m2F[明]かる過ぎるこの世界の [か]げで踏ん張るひ[と]がいた【Aメロ】
★m2F[ヒー]ローねぇお[ねm2G#-hiA#地[がい[ぃ]【サビ】
★hiA#–m2G#[僕]を]ここ[か]らhiC地[出し]てよ]ぉ
★ひhiC地[と]りC–hiA#[ぼっ]ち]で泣く[の]はもうウン[ザ]リ腐っC[ちゃいそうだ]
★m2G#[か]み[さ]ま[だhiA#[っ]て]A#–hiB地[お[こっ]て]た]A#[ぁ]【２番Aメロ】
★行き場の無い悲しm2F–m2G#[い[な]み]だが
★きっとだhiC裏–hiC#^-hiA#地–G#^[れ[か]が[変]え]てくれ[る]のを]
★ギャップ認めm2G#[たく無]いしだ[れ]か[に]す[がっhiA#[ていたい]【Dメロ】
★おhiA#–hiC地[ね[がい] じゃいつまで経っても変われhiA#[ない]【ラストサビ】
★いhiC–hiA#[かり]も]かC[なし]み]も押しこ{ろ]して

　まず、『夢みるスーパーマン』についてです。この楽曲は、２０２３年にSaucy Dogによりリリースされたミニアルバム『バットリアリー』に収録されております。同アルバムには、『魔法が解けたら』（過去記事）、『怪物たちよ』（過去記事）、『現在を生きるのだ。』(過去記事)、『紫苑』(過去記事)といった楽曲が収められております。
　
　『夢みるスーパーマン』はアルバムの1曲目に収録されております。アルバムの発売に伴いミュージックビデオが制作公開されました。また、同曲は、中京テレビ連続ドラマ『スーパーのカゴの中身が気になる私』の主題歌としてタイアップが付きました。こうしたことから、『夢みるスーパーマン』アルバムのリード曲のような位置づけにあります。

　『夢みるスーパーマン』はアップテンポのバンド曲です。3人のバンドサウンドの良さが活きたロック色のある作品であり、ライブなどで聴くと楽しそうです。歌メロはAメロBメロサビと展開しますが、2番以降はAメロBメロDメロと展開し、ラストサビへと向かいます。こうしたこともあり、演奏時間が3分程度と短く、全体的に密度が濃い楽曲となっています。作詞はボーカル＆ギターの石原慎也さん、作曲はSaucy Dogによりなされました。

　『夢みるスーパーマン』の音域的な特徴についてです。同曲は男性の音域としてはかなり高いレンジで歌メロが作られております。一般的な男性は通常はキーを下げた方が歌いやすいです。
　同曲は1番Aメロでmid1D#-mid1Fといった低音が登場します。ただ、それ以降のBメロ～ラストサビまではmid2G#～hiCの中高音域が非常に多く、男性曲としてはかなり高い印象です。一部の低音を除けば、女性の方が歌いやすい曲かもしれません。また、発声は地声ベースであり、裏声の頻度は少なめです。

　女性が同曲を歌唱する場合、個人差はありますが、原曲キーがマッチするという人も一定数おられると思います。今回は１番のAメロでmid1D#が登場するなど低い場面があります。ただ、全体でみるとmid2G#～hiC#などの音域が多いため、女性にとってはマッチしやすい場面が多いです。具体的には、「標準よりやや低め～標準的な音域の女性」などは原キーがある可能性があると私は推測していますとはいえ、今回の楽曲は音域が広いため、低音～高音までしっかり歌い慣れておく必要がありそうです。

　最後に『夢みるスーパーマン』の音域についてですが、【地声最低音】mid1D#(D#3)～【地声最高音】hiC#(C#5)、【裏声最高音】hiD#(D#5)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、かなり高いです。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1D#は１番のAメロで登場します。登場回数は１回のみです。この辺りは男性の音域の範囲内であり、問題となることはあまり多くないと思います（女性にとっては低いレンジになる）。

　次に、地声最高音hiC#はサビ等で登場します。登場回数は２回程度です。このhiC#に次ぐ地声高音としては、hiCがピークとなる場面が全体で１７回、hiA#が１７回登場します。こうしたことから、男性の音域としてはかなり高く、通常はキーを下げた方が歌いやすいといえます。一つの目安ですが、原曲期から４～５つ程度上げてみてください（これでも一般的には少し高い）。

　『夢みるスーパーマン』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。歌い慣れた人であれば、ある程度自分が得意なレンジに調整することができると思います（人によっては一部歌いにくい可能性がある）。一方、今回の楽曲は音域自体がかなり広いため、ビギナーの練習曲には向きにくそうです。
　同曲は１番サビ⇒２番Aメロにかけての１０秒程度の間奏以外は、ボーカルが休憩できる点が少なく、断続的に歌メロが続きます。そのため、見た目の音域よりも難易度が高く、体力も要求される楽曲であると私は分析しました。

　『夢みるスーパーマン』を原曲キーで歌唱する場合、mid2G#～hiC#といった中高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。とりわけ、今回はhiA#～hiC等の高音域が多く見られ、男性の音域としてはかなり高音感があります。また、間奏なども短いため、体力的にも辛くなりやすいです。一方、低音域についてはmid1D#-mid1Fなどがみられる場面がありますが、頻度は低いです。
　こうしたことを踏まえると、「高音域が非常に得意な男性」が原曲キーに合いやすいと私は判断しました。また、一部低音が歌いにくい可能性もありますが、「標準よりやや低め～標準的な音域の女性」なども原曲キーがマッチする可能性があります。音域的には女性の方がチャレンジしやすい楽曲かもしれません。

【まとめ】

①1番のAメロBメロの一部で低音が見られる。他は全体的に高い
②原キーだと「高音域が非常に得意な男性」に合いそう
③「標準よりやや低め～標準的な音域の女性」も原キーが合いうる（低音が少し歌いにくいかも）
④間奏が短く、メロが断続的に続くため、体力的に辛くなりやすい