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『ルル』(Ado)の音域

こんにちは。今回はAdoさんの『ルル』(2024)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回はリクエストによる選曲です。


『ルル』(Ado)
『ルル』(Ado)の音域







【地声最低音】mid1D#(D#3) 

m1D#m1G#[サ]ヨ]ナラ D#[サ]ヨ]ナラ [サヨ]ナラ【ラストサビ】


【地声最高音】hiD#(D#5) ※サビを中心に20回

★そのhiBhiD#[無様に狂ったルールブックをすぐに他人に強[要]【Bメロ】
★サヨhiA#hiB[ナ[ラ]×3 腐ったhiD#地C#[ルー]ル]×2 D#B[ルー]ル]【サビ】


【裏声最高音】hiE(E5) ※全体で1回

★そのhiB地hiE[分厚く肥ったルールブックはお前自前の妄[想]【Bメロ】

※理論的にはhiD#の方が自然だが、最初の1か所はhiEになってる


【補足】hiBhiDを含むフレーズ一覧

hiB[ちゃ]っちゃっちゃちゃ、hiD裏C#[なななな]なー]【イントロ】
★降hiBm2G#[り]ろ]×2  むしろ落っこB[ち]ろ] “お[前”は]お呼びではない【Aメロ】
hiBC#hiD^-[助([言[な][た]のん][ではD[いな]い]
★どhiC#B[かぬな][出][ぞ]チェーン])ソー
hiBA#A[ごみはごみばこく]ずはくず]かごへどう]【Bメロ】

 まず、『ルル』についてです。この楽曲は、2024年に女性歌手のAdoさんによりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、同じ年に発表された『残夢』に初収録されました。同アルバムは既に10万枚以上のCDセールスを記録しており、日本レコード協会よりゴールド認定がなされています。

 『ルル』は、フジテレビ系のドラマ『ビリオン×スクール』の主題歌としてタイアップが付きました。楽曲の質も相まって、同曲はストリーミングランキングでもチャートインしております。作詞作曲編曲はボカロPのMARETUさんによりなされました。MARETUさんは、『脳内革命ガール』、『うみなおし』、『ホワイトハッピー』などで知られ、多くの人気を獲得しています。


 『ルル』の音域的な特徴についてです。同曲は女性の音域としては高めのレンジで歌メロが作られております。一般的には少しキーを下げた方が歌いやすいと私は想定しています(ただ、今回は一部かなり低い場面がある)。
 同曲はラストサビの一部についてはmid1D#が登場するなどかなり低いです。ただ、全体でみるとmid2B~hiD#辺りで歌メロが作られており、どちらかといえば中高音に寄った歌メロになっています。今回はhiB以上の高音域ではがなり声が多いため、その点で少し取っ付きにくそうに私は感じました。ロック曲やメタル曲などでがなり声や力強い発声に慣れている人だとマッチしやすいかもしれません。

 男性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを下げた方が歌いやすそうです。ちなみに、今回の楽曲は「高音域が非常に得意な男性」だともしかしたら原キーなどがマッチする可能性もあると私は分析しています。今回の楽曲はhiB以上でがなり声が多いため、男性曲のニュアンスと相性がよいのではないかと私は感じました。ロックやメタル、ハードコアなどの楽曲に慣れている高音域が得意な男性は原曲キーでチャレンジしてみるのもよさそうです。



 最後に『ルル』の音域についてですが、【地声最低音】mid1D#(D#3)~【地声最高音】hiD#(D#5)、【裏声最高音】hiE(E5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域と比べ、高めです。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid1D#はラストサビで登場します。この場面は、通常サビの1オクターブ下の場面です。このmid1D#は登場回数は少ないですが、女性曲としてはかなり低音感があります。このmid1D#の場面以外を除くと、mid2Bが低音であるため、全体でみると低音はやや高いといえます。

 次に、地声最高音hiD#はサビとBメロで登場します。登場回数は20回程度です(サビが18回)。今回はhiC#-hiDなどががなり声としても登場します。そのため、一般的には少しキーを下げた方が歌いやすいと私は推測しました。ただ、今回はキーを下げるよりもロックでよく見る「がなり声」に慣れているかどうかが重要であると考えています
 今回は、裏声最高音としては1番BメロでhiEが登場します。ただ、は通常はhiD#で歌う方が違和感は少ないため、個人的にはあまり厳密な音程にこだわらなくてもよいと感じています。


 『ルル』は低音が低いため、あまりキーを下げる余地はありません。ただ、今回の楽曲は、音程の重要さとともに、Adoさんのがなり声が特徴的な楽曲でもあります。そのため、単純にキーを下げる以上に、がなり声やシャウトのような発声に慣れている人の方が楽曲にマッチしやすい曲です。
 同曲はメロディー自体は比較的わかりやすいです。ただ、Bメロは歌メロがかなり速いため、慣れないうちは少しテンポを落として練習してもよいかもしれません。また、1番Aメロのがなり声については、あまり音程の正確さに気にしない方がよいのではないかと私は分析しいています。がなり声など難しい部分も多いですが、力強い発声を学ぶにはよい楽曲でもあると私は感じました。

 『ルル』を原曲キーで歌唱する場合、hiB~hiD#といった中高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。今回はAメロ辺りでもhiBがよく見られますが、割合的にはそこまで多くないので見た目よりは高音感は少ないと推定しています。一方、最低音はmid1D#とかなり低いため、その点で「高音域が得意な女性」などは一部歌いにくい場面があります。
 こうした点を考慮すると、「標準より高め~ある程度高音域が得意な女性」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。ただ、繰り返し申しているように、今回はがなり声がかなり特徴的な楽曲ですので、そうした歌唱に慣れている人の方がマッチしやすそうです。がなり声に慣れている人だと、「標準よりやや低めの音域の女性」なども原キーで歌唱可能なのではないかと私は分析しています。


【まとめ】

①ラスサビの一部を除くと、中高音寄り(ただ、そこまで高音感はない印象)
②原キーだと「標準より高め~ある程度高音域が得意女性」などに合いそう
③がなり声が特徴的であり、そうした発声に慣れている人の方が有利
④がなり声に慣れている人だと、「標準よりやや低めの音域の女性」なども合いうる
⑤Bメロはかなり速いため、少しテンポを落として練習してもよさそう


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コメント

  1. ボンバーハニー より:

    ルル、調査ありがとうございます。
    あどさんの特徴的な歌い方や声がぎゅっと詰まったAdo節全開!!って感じの曲で良いですよね
    mirrorとかショコラカタブラみたいな艶やかな声とうっせぇわ、リベリオンのような鋭く強い声とがひとつの曲で聴けて…幸せです

    • もりっしー より:

      記事ではあまり触れられなかったのですが、この曲はAメロは柔らかでつややかな歌唱もされてますね
      『ギラギラ』などゆったり目の曲だとそういう特徴も出ますよね