『夏恋センセイション』(マカロニえんぴつ)の音域

　まず、『夏恋センセイション』についてです。この楽曲は、２０１７年にロックバンド・マカロニえんぴつによりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、同じ年に発売された『CHOSYOKU』に初収録されました。同アルバムには、『洗濯機と君とラヂオ』（過去記事）などの人気曲が収録されています。

　『夏恋センセイション』はアップテンポなバンド曲です。頭サビで歌メロが始まり、AメロBメロサビと展開します。全体的に勢いのあり、演奏時間も2分30秒弱と密度が濃い1曲です。また、ラストサビでは転調が行われ、キーが1つ上がります。こうした傾向から歌メロの大部分が中高音寄りになっています。作詞作曲はボーカル＆ギターのはっとりさんによりなされました。


　『夏恋センセイション』の音域的な特徴についてです。同曲は男性の音域としては高め（体感的には明確に「高い」でもよいかも）のレンジで歌メロが作られています。低音域に余地があるため、一般的には少しキーを下げた方が歌いやすいといえます。
　同曲は1番Aメロのではmid1D#-mid1Eなどの中低音が登場します。それ以外の多くの場面ではmid2E～mid2G#といった中高音が頻出します。見た目の音域は広めですが、全体でみるとかなり中高音に寄った曲です。こうしたこともあり、標準より高い音域の男性の方がマッチしやすい曲だといえます。

　女性が同曲を歌唱する場合、通常はいくらかキーを上げた方がマッチしやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから２～４つ程度上げてみてください。一方、今回は一部でmid1D#-mid1Eといった低音が登場するものの、全体的に中高音寄りの曲です。そのため、「標準より低めの音域の女性」の中には原キーがマッチする可能性があります。その辺りは実際に歌唱して、微調整を加えてください。



　最後に『夏恋センセイション』の音域についてですが、【地声最低音】mid1D#(D#3)～【地声最高音】hiA#(A#4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、高め（体感的には明確に「高い」）です。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1D#は1番Aメロで登場します。この場面はmid1Eとのコンボになっております。全体でみると頻度は低いですが、「高音域が非常に得意な男性」などは少し低音感があるかもしれません。

　次に、地声最高音hiA#はラストサビで登場します。登場回数は３回程度です。このhiA#に次ぐ地声高音としては、hiAがピークとなる場面が全体で８回、mid2G#が８回、mid2Gが９回程度登場します。こうした傾向から、男性の音域としては高く、一般的にはキーを下げた方が歌いやすいといえそうです。一つの目安ですが、原キーから２～３つ程度下げてみてください。


　『夏恋センセイション』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。歌い慣れた人であればある程度自分が得意とするレンジに調整することができそうです。
　今回の楽曲は音域がそれなりに広いため、ビギナーだと一部歌いにくい部分が出てくるかもしれません。ただ、mid1D#等の低音が登場する場面は限定されるため、一部の低音に目をつむって、中高音の練習をしてもいいかもしれません。
　同曲はメロ自体は比較的わかりやすく、カラオケ向きです。ただ、一部歌メロが速く、リズムなどが難しそうな場面もあります。原曲を聴き込んでおきたいです。全体的にノリの良いバンド曲であるため、音域が合うのであれば練習曲に向きやすいです。

　『夏恋センセイション』を原曲キーで歌唱する場合、mid2E～hiA#といった中高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。今回はmid2E～mid2G#等が多く、中高音寄りです。一方、低音は一部でmid1D#が登場しますが、全体でみるとやはり高めです。
　こうした点を考慮すると、「高音域が得意（or非常に得意）な男性」が原曲キーに合いやすいと私は判断しました。また、限定的に「標準より低めの音域の女性」などもマッチする可能性があります。

【まとめ】

①1番Aメロの一部で中低音が集中する。それ以外は全体的に中高音寄り
②原キーだと「高音域が得意（or非常に得意）な男性」な男性向け
③女性はキー上げ推奨。限定的に「標準より低めの音域の女性」が原キーで合うかも
④メロは分かりやすく、カラオケ向き（1番Aメロの一部はリズムに注意）