『デイドリームジェネレーション』(馬渡松子)の音域

　まず、『デイドリームジェネレーション』についてです。この楽曲は、１９９４年に女性シンガーソングライターの馬渡松子さんによりリリースされたCDシングル作品です。アルバムとしては、翌年に発表された『バラブシュカ』に初収録されました。
　同曲は、冨樫義博さんの同名漫画を原作としたテレビアニメ『幽☆遊☆白書』のエンディングテーマとしてタイアップが付きました。楽曲の質も相まって、同曲は約１５万枚のヒットを記録しました。馬渡さんとしては最大のシングルヒットになります。

　『デイドリームジェネレーション』はアップテンポのデジタルポップです。全体的にノリがよく、歌メロはAメロBメロサビで展開されます。作詞はリーシャウロンさん、作曲編曲は馬渡松子さん自身によりなされました。


　『デイドリームジェネレーション』の音域的な特徴についてです。同曲は、大よそ女性の音域の範囲内で歌メロが作られています。一般的な音域の女性が原曲キーで歌唱しやすい曲ですが、人によってはキー調整を加えてもよいと思います。
　同曲は、中高音域としてはmid2G～mid2G#が頻出します。また、要所要所でhiA#～hiCが登場しますが、これらは大よそ女性の音域の範囲内です。最高音自体はそこまで高くないですが、やや中高音に寄っているため、高音域が苦手な人だとやや高音感があるかもしれません。反面、「高音域が非常に得意な女性」については少しキーを上げるのもよいと思います。

　男性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから４～５つ程度下げてみてください。「高音域が非常に得意な男性」については原キーで歌唱可能かもしれませんが、それでもキーを下げた方がより安定すると思います。



　最後に『デイドリームジェネレーション』の音域についてですが、【地声最低音】mid1G#(G#3)～【地声最高音】hiC(C5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域の範囲内です。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1G#はBメロで登場します。また、低音域としてはmid2A#はサビ等でも登場します。低音域としては標準的ですが、「高音域が非常に得意な女性」などは少しキーを上げるのもよいかもしれません。

　次に、地声最高音hiCはサビで11～12回程度登場します。 このhiCに次ぐ地声高音としては、hiBがピークとなる場面が全体で２回、hiA#が11 回程度登場します。こうしたことから、大よそ女性の音域の範囲内といえます。一方、hiA#～hiCは歌い慣れていない人だとスムーズな発声が損なわれやすいです。ただ、比較的克服しやすい音域もでありますので、少しずつ練習を重ねてみてください。また、高音域が苦手な女性などは少しキーを下げるのもよいと思います。


　『デイドリームジェネレーション』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。歌い慣れた人であれば、自分が得意とするレンジに調整することができそうです。また、ビギナー向けの調整もある程度可能だと思います（人によっては一部歌いにくい部分が出てくるかも）。
　今回の楽曲はメロディー自体は比較的わかりやすく、リズムなども取りやすそうです。ただ、Bメロについてはやや音程が取りづらそうなので注意したいです。音域がマッチするのであれば練習曲などには向きやすいと思います。

　『デイドリームジェネレーション』を原曲キーで歌唱する場合、mid2G～hiCといった中高音域がしっかり歌いこなせることが求められます。今回はmid2G#辺りが多く、要所でhiA#～hiCが登場します。一方、低音域についてはmid1G#～mid2A#辺りが登場します。
　こうした点を考慮すると、「標準よりやや低め～高音域が得意な女性」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。

【まとめ】

①音域は大よそ標準的（やや中高音寄り）
②原キーだと「標準よりやや低め～高音域が得意な女性」などに合いそう
③音域が合うのであれば練習曲向き
④メロは分かりやすい。Bメロだけは音程に注意したい