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『夕暮れ沿い』(Official髭男dism)の音域 [Live ver.の解説も含む]

こんにちは。今回はOfficial髭男dismの『夕暮れ沿い』(2016)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。なお、『夕暮れ沿い』はOfficial髭男dismのYouTube公式チャンネルでは頭サビ⇒1番という構成のアレンジバージョンが公開されております。当ブログにおいても、その動画を添付いたします。

 今回、『夕暮れ沿い』のONLINELIVE2020バージョンについてのリクエストを戴きました。このライブバージョンはストリーミングなどでも配信されており、私自身も好きです。ライブでは原曲と少し異なるアレンジをしてあり、地声最高音などが原曲と異なっております。記事では基本的に原曲の方を中心に話を進めますが、時折、ライブでのアレンジについても話を入れていきます。その点はご了承ください。

 ※当ブログが過去に取り上げたヒゲダン作品についてはこちらをご覧ください⇒ヒゲダンの音域一覧


『夕暮れ沿い』(Official髭男dism)、Yuugurezoi(Official HIGE DANdism)
『夕暮れ沿い』(Official髭男dism)の音域







【地声最低音】mid1F(F3) ※登場回数としてはmid1Gが多いです

m1G[見つ]m1F[て]たこm2E[と]想っていたE[こ]【Aメロ】


【地声最高音】hiA#(A#4)  ※曲全体で4回

★こんm2G[なに愛し]hiA#hiA[く]なっ]G[し]まうとは【サビ】

※ONLINELIVE2020ではラストサビでは転調して半音上り、hiA#⇒hiBとなります(後述しますが、他にも更にアレンジされているため、LIVEではhiC#が最高音となります)。


【裏声最高音】hiC(C5) ※各Bメロで2回ずつ

★それはそれはhiBhiA[き][い]hiC[な] まばたきのせB[い][っ]C[た]【Bメロ】


【補足】mid2FhiAを含むフレーズ一覧

★薫m2F[る]m2G[初]夏 つまずき[な]G[が]ら ぬるいあ[せ]G[な]がし[な]G[が][ら]【Aメロ】
★間違っm2E[て]なかっ[た]はずなんだよな

★何にhiA[も]m2G[知]m2F[な]G[か]ったくせして【Bメロ】
m1G[吸い]込まm2F[れ]m2G[て]しまったのは
★なのにどうにも上手くはいかhiA[なかっ]m2G[た]

★一度だm2F[け]だった 目があっただ[け]だった【サビ】
m2F[忘れたい]m2G[とな][げい]Gm2G#[た[よ]る][も]
m2Fm2G[せいふ[く][もう着]て]ないしあの日のダンスhiA[も]
★二度m2F[と][れ]ないのにね

★目を背m2F[け]m2G[て]m2G#[し]まったのは【2番Bメロ】
★(あの日の君は今も確かに)m2F[い]m2G[しい]hiAG[で][ま]だ]【ラストサビ】


(さらに補足)ONLINELIVE2020での違い

★なのに今はそれすら忘れhiA[てしま]m2G[った][ぁぁ]m2G#【ライブ2番Bメロ】
hiC#[で]m2G#[も]hiA#[ま][だ]【ライブでのラストサビ】


 ※ONLINELIVE2020では2番サビで転調し、キーが1つ上がります(#1)。よって、2番サビ以降は原曲よりも1つ高い(#1)です。
 原曲との違いから、通常は地声最高音はhiA#⇒hiBとなりそうです。ただ、ライブではさらにアレンジが加えられており、☆では原曲と異なるメロになっています。故に、地声最高音hiC#となります。

 ※アウトロでのフェイクについては、地声の最高音がhiE、裏声のロングトーンがhiG#となております。

 まず、『夕暮れ沿い』(ゆうぐれぞい)についてです。この楽曲は、2015年に4人組ロックバンドOfficial髭男dismによりリリースされたアルバム『ラブとピースは君の中』に収録されております。同アルバムには、『恋の前ならえ』、『SWEET TWEET』、『愛なんだが…』なども収録されており、バンドとしては初の全国流通盤となったアルバムであります。

 この『ラブとピースは君の中』の頃のOfficial髭男dismはピアノ・ポップといった分類がされることが多かったように感じます。ただ、『愛なんだが…』や、今回取り上げる『夕暮れ沿い』などのようにジャズなどブラックミュージック色の強い作品も含まれており、これらが今後のヒゲダンと一つの特徴もとなっていきます。また、バンドとしての普遍性も初期のころから感じ取れます。


 さて、『夕暮れ沿い』はジャズ色の強いポップナンバーです。歌メロはAメロBメロサビが2回繰り返される形となっております。全体的にメロディーもよく、耳馴染みしやすいのではないかと思います。また、歌詞については、恋愛がテーマとなっており、全体的に甘酸っぱさが感じられます。相手に思いを伝えられらず、それを後まで引きずるということは多くの人が共感できることかもしれません。


 『夕暮れ沿い』の音域的な特徴についてです。同曲は、一般的な男性の音域より高いレンジで歌メロが作られております。曲全体を通して、mid2E~hiA辺りが多く登場するため、持久力なども必要不可欠です。低音部分には余裕があり、キー下げなどはしやすいです。

 ちなみに、冒頭で述べましたが、『夕暮れ沿い』はONLINELIVE2020では原曲と少し異なるアレンジとなっております。具体的には、2番のサビで転調し、キーが1つ上がり(#1)、更にテンポも少し緩やかになります。そのため、ライブの方がより広い声域が要求されます。このライブバージョンについては、私も好きなアレンジでありますが、現在カラオケでは配信されていないようです(可能であれば、配信していただきたいです)。
 ライブでは、【地声最低音】mid1F(F3)~【地声最高音】hiC(C#5)、【裏声最高音】hiC(C5)のレンジで歌メロが作られております。


 最後に『夕暮れ沿い』の音域についてですが、【地声最低音】mid1F(F3)~【地声最高音】hiA#(A#4)、【裏声最高音】hiC(C5)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域よりも高いです。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid1FについてはAメロで登場します。登場回数としては多くないです。同曲は低音部ではmid1G辺りが多くみられます。この辺りは一般的な男性であれば、発声しやすいです。女性についてもややしんどい部分がありますが、発声可能なのではないかと思います。

 基本的に「女性が原曲キーでも歌唱可能な男性曲」というのは、男性にとっては「キーが高めで、スタミナもゴリゴリ削られる曲」となることが多いです。『夕暮れ沿い』も男性にとっては、原曲キーで歌うのが大変な曲である反面、女性ならば原曲キーでも歌唱可能です。ただ、女性の場合は、一般的には少しキーを上げると、より歌いやすいのではないかと思います。


 次に地声最高音hiA#については、サビで登場します。登場回数は4回でそこまで多くはありません。ただ、この楽曲ではmid2F~hiA辺りが多く登場します。そのため、全体としてはかなり高く、高音域が得意な方でも体力が必要不可欠になります。一般的な男性はキーを下げた方が歌いやすいです。目安としてですが、原曲キーから3つ程度下げてみてください(♭3)。


 『夕暮れ沿い』は低音部分に余裕があり、キー下げなどはしやすいです。歌い慣れた人であれば、自分の得意なレンジに合わせることができると思います。一方で、ビギナー向けの調整も可能といえば可能ですが、場合によっては少し歌いにくい部分が出てくるかもしれません。私としては、「練習曲としても使用可能だが、ビギナーには他により歌いやすい曲はある」といった位置づけだと考えました。


 『夕暮れ沿い』を原曲キーで歌唱する場合、mid2E~hiA#辺りを安定して歌いこなせる力が求められます。また、歌い出しで【薫m2F[る]m2G[初]夏 つまずき[な]G[が]ら】となるように、曲全体でmid2F~mid2G辺りが多いため、スタミナが必要不可欠です。そのため、高音域がある程度得意な男性でも結構しんどい曲になるのではないかと思います。目安としては、高音域がある程度得意な男性、もしくは(低音もそこそこ歌える)女性は合いやすいです。

 ちなみに、ONLINELIVE2020のアレンジだと、ラストサビで転調するため、hiB,hiC#などが地声で登場し、その分高音域が要求されます。ただ、テンポが緩やかになり、少し息継ぎなどの余裕ができます。高音域が得意なは、もしかしたらこちらの方が歌いやすいかもしれません(反面、リズム感などは必須)。各々実際に歌唱してみてください。

 『夕暮れ沿い』は爽やかで切ないジャズポップナンバーであり、カラオケなどでも歌いやすいと思います。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。

 ※当ブログが過去に取り上げたヒゲダン作品についてはこちらをご覧ください⇒ヒゲダンの音域一覧

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コメント

  1. ベーコン より:

    編集&投稿お疲れ様です。
    他の方のリクエストを見て実は楽しみにしておりました。LIVEver.込の調査は初めて拝見したのですが過去もございましたか??
    それにしてもやはりかなり原曲とは変わりますよね。アレンジの仕方には感動すら覚えました。特にアウトロフェイクに関しては藤原さんの力全開なのでもはや泣きそうになりますね笑
    質問なんですがアウトロのhiEというのは何回出てますかね??自分は4:44の1回 hiG#ロングトーンの前の2回の3回かなと思ってるのですが実際のところどうでしょうか。
    長文失礼致しました。

    • もりっしー より:

      ベーコンさん、コメントありがとうございます。

      私自身も少し悩んだのですが、ストリーミングで配信もされているので
      読者もアクセス可能だと感じ、Liveバージョンも今回取り上げました。
      以前、ミセスの『点描の唄』では少し触れましたが、
      しっかり調べたのは今回が初めてではないかと思います。

      アウトロのhiEについては厳密1回ですね。ご指摘に通り、4:44の辺りです。
      その他2か所はhiD#なのですが、4:44でもhiD#-hiE-hiD#となるので
      ベーコンさん凄く音感がいいです。地声だとこの3か所が高いところですね。

  2. あゆ より:

    こんなにも早く詳しく調査して頂けるとは思いもしませんでした、本当感無量です。
    またお世話になると思いますが、何卒宜しくお願いします!
    ありがとうございました!

    • もりっしー より:

      あゆさん、コメントありがとうございます。

      実はあゆさん以外もリクエストが来ていて、
      私自身も気になっていました。
      また、ヒゲダンの新曲との兼ね合いもあって
      「今を逃すとしばらく旧譜曲は記事に出来ないな」と感じ
      早めに記事にしました。

      またよろしくお願いします。

  3. Dわんこ より:

    リクエストに答えて頂きありがとうございます!まさか本当に分析して頂けると思っていませんでした。
    当方高音域には自信があり、意外といけるかな?って思ってましたが、かなり難しいそうですね…
    当サイトを参考にさせて頂きながら、練習したいと思います!!

    本当に、どうもありがとうございました!
    また機会があれば、よろしくお願い致したます!

    • もりっしー より:

      コメントありがとうございます。
      この曲は、他にもリクエストが来てまして
      私自身も気になっておりました。
      Dわんこさんのリクエストの時期からは遅れましたが
      何とか記事にすることが出来ました。

      この曲は、滅茶苦茶に高い音階は出ませんが、
      全体として高めの音が続くので体力が必要ですね。
      また、私自身も練習して、歌えたらいいなと思いました。
      お互い頑張りましょう。

  4. ちゃんキヨ より:

    ありがとうございます。
    この曲のライブバージョンの魅力たるや凄まじいですね。
    そちらまで分析いただいて感無量です、参考にします。

    • もりっしー より:

      コメントありがとうございます。
      この曲はホントにいいですよね。
      バンドの下積み時代にイオンモールのフリーライブとかでこの曲を歌ってたと思うと
      逆に恐ろしくもあります。
      記事について参考になれば幸いです。