『grace』( 藤井風 ) の音域

★m2G裏–hiA–hiA#[な[に[があ]m2F[ろ]うとG地[も]ぉ]ぉぉ【ラストサビ】



【補足】mid2D#(一部略)～mid2G#を含むフレーズ一覧

★m2D–m2E[私[は]ただ身を引m1E[い]た あ[の]か[げ]から【Aメロ】
★m2D#–m2E[だけ[ど]去]るのはいつも私m1E[だっ]た 【Bメロ】

★m2D#[あたし]に会えて良かm2G裏–m2F[っ]た]【サビ】
★m2F地–m2D#[やっ]と]自由になF裏[っ]た]
★m2D#–m2D[なみ]だ]も輝きはD#[じ]めた] Ah Ah Ah [Ah]
★（明日になればさよなら） m2F地[ああ]儚いせかm2G#裏–m2G[い]だ]

★m2D[みん]なm2E–m2D[お]な]じと気m1E[付]いた時か[ら]【2番Aメロ】
★m2E–m2D[な]に]が出来るかな　愛に従うm1D[の]ならば
★(何があろうとも) 全てあm2G裏–m2F地[な]た]のgrace【ラストサビ】

　まず、『grace』(グレイス)についてです。この楽曲は、２０２２年に男性シンガーソングライターの藤井風さんによりリリースされたシングル作品です。配信限定のシングルであります。また、最新曲ですのでアルバムには未収録です。

　『grace』は「すべての人に、才能がある。」という言葉をテーマにし、藤井風さんがCMソングとして書き下ろしました。NTTドコモ「docomo future project」CMソングとしてお茶の間での多く流れましたので、私自身もリリース以前より多く耳にした楽曲です。楽曲のクオリティーも相まって、2022年10月現在、680万回もの再生回数を記録しております。
　藤井さんは、最新アルバムの『LOVE ALL SERVE ALL』が大きなヒットを記録。また、国内でのヒットにとどまらず、最近では過去のアルバム曲『死ぬのがいいわ』(過去記事)がグローバルチャートにランクインするなど、藤井さんの知名度が世界的に広がり始めております。J-POPの作品が、ノンタイアップで世界的に知られるケースは非常に珍しいため、近年のJ-POPの大きなニュースの1つとも言えそうです。

　さて、『grace』の音域的な特徴についてです。同曲は、おおよそ一般的な男性の音域の範囲内で歌メロが作られております。そのため、単純に音域だけを見ると、男性にとっては取っ付きやすいレンジにあるといえます。一方で、藤井さんの繊細な歌唱表現は、やはり難しく、原曲のような歌唱をするためには力量が要求されます。
　また、同曲は裏声も多く用いられており、地声と裏声の器用な使い分けが不可欠になります。音程や歌詞だけにとらわれずに、藤井さんがどのように歌唱しているかをしっかり意識したいところです。
　ちなみに、同曲の低音域は女性にとっては極めて低いレンジです。そのため、女性が歌唱する場合は、キーを上げた方が歌いやすいと思います。



　最後に『grace』の音域についてですが、【地声最低音】mid1B(B2)～【地声最高音】mid2G(G4)、【裏声最高音】hiA#(A#4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域の範囲内です。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1BについてはAメロやサビで登場します。このmid1Bに加え、mid1D,mid1Eなどは登場頻度が高いです。そのため、男性でも歌い慣れていないとスムーズな発声が損なわれやすいと思います。高音域が得意な男性などはキーを上げてもよいと思います。また、女性にとっては言うまでもなく低く、通常はキーを上げた方が歌いやすそうです。

　次に、地声最高音mid2Gはラストサビで1回だけ登場します。このmid2G以外ではサビを中心にmid2F辺りが地声高音として登場します。この辺りは、J-POPの男性曲としてはそこまで高くないですが、慣れてない人にとってはスムーズな発声が損なわれやすいです。慣れないうちはキーを下げるなどしてもよいと思います。


　『grace』は低音域にあまり余地がなく、キー下げなどはしにくいです。また、同曲はボーカルの歌唱表現なども難易度が高いです。もし原曲キー付近で歌唱して、高音域が辛いと感じた場合は、別の易しい楽曲などと並行して練習するのが良いと思います。
　藤井風さんの楽曲は、音域面では取っ付きやすくても、音程が取り辛かったり、歌唱表現が繊細であるなど、難しい部分が多いです。藤井さんのような歌唱を目指す場合、まずは、ある程度歌い慣れて、メロディーなどをしっかり覚えた上で、少しずつ表現を学んでいく必要がありそうです。