『おしゃかしゃま』(RADWIMPS)、Oshakashama
【地声最低音】mid1E(E3)
★神様に気付いたらなってたの 何様な[の]さ(Aメロ)
【地声最高音】mid2G#(G#4)
★mid2F[だから何だっ]mid2G[て]mid2G#[言うん][だ][ぁ](サビ)
【裏声最高音】hiA#(A#4)
★いけmid2F[な]hiA#[い]hiA[な]mid2G[ら][ば ど]こに(Cメロ)
【補足】
★一mid2F[体どうなって]mid2G[るんダ・ヴィン]2F[チ](Bメロ)
★mid2F[来世があったって 仮に無くたって](サビ)
★ならば mid2F[どう]すmid2G[れ]ば[いい?](Cメロ)
まず、『おしゃかしゃま』についてです。この楽曲は2009年にRADWIMPSによりリリースされたアルバム『アルトコロニーの定理』に収録されている作品です。アルバムのリード曲になります。
『おしゃかしゃま』はMVが制作され、RADWIMPSのYouTube公式チャンネルでも公開されております。2019年4月現在、4000万回もの再生回数を記録しています。映画『君の名は』に提供した楽曲を除けば、この『おしゃかしゃま』が最も再生されている作品ということになります。
『おしゃかしゃま』のサウンドについてです。まず、イントロのエレキギターが非常に印象的です。このイントロはボーカルの野田洋次郎さんが紡ぎ出したものだそうです。楽曲全体を通して非常にテクニカルな演奏だと思います。個人的にはAメロのギターやベースの動きも好きです。
メロディーについては、非常にテンポの速く、韻を踏んだ節回しで成り立っています。RADWIMPSの楽曲はラップ・ロック(ミクスチャーロック)などのジャンルに分類されることが多いですが、『おしゃかしゃま』はまさにそうしたラップ、ヒップホップなどの要素を持ったラッドらしいメロディーでもあると思います。カラオケなどで歌唱するのはかなり骨が折れると思います。
歌詞についてですが、タイトルの『おしゃかしゃま』とあるように「神様」といったワードから膨らませた歌詞内容になっております。私なりの解釈ですが、序盤では「神様」というものを生み出した人間の好き勝手さが嘆かれるように歌われており、中盤では現世に嫌気が差した主人公の姿が描かれております。歌詞の終盤では厭世的だった主人公が前向きに道を探っていくフレーズが垣間見えます。全体として非常によく出来た歌詞だと思います。
さて、『おしゃかしゃま』の音域についてですが、【地声最低音】mid1E(E3)~【地声最高音】mid2G#(G#4) 、【裏声最高音】hiA#(A#4)でメロディーが構成されております。おおよそ一般的な男性の音域の範囲内であると思います。
まず、『おしゃかしゃま』は非常に速いラップのようなメロディーテンポですので、音域自体は広くありません。地声最高音がmid2G#なので、サビが辛いという人も居ると思います。声が低い人はキーを下げるなり対応しても良いと思います。
一方、原曲キーで歌唱する場合は、mid2F,mid2Gといった音階が頻出します。サビは基本的にmid2F,mid2G,mid2G#の3音で構成されます。この辺りの音階は、歌い慣れていない人だとスムーズな発声が難しいキーでもあります。故に、練習を重ねることでmid2F等の音階を淀みなく歌いこなせるようにしてください。この辺りの音階であれば、一般的な男性の場合は届きうる範囲であります。
『おしゃかしゃま』の難しい点は音域よりもむしろ、メロディーテンポに合わせて歌唱することだと思います。非常に速いテンポの楽曲です。
一般的には、『おしゃかしゃま』を原曲のテンポで完全に歌い切るのはかなり難しいと思ってください。ライブ映像などを拝見しても、野田さん自身もCDのままで歌唱していません。たとえば、サビは原曲のまま歌うと、ブレスを入れるタイミングがほとんど無いです。
対策としてはメロディーの一部で少し妥協して、ブレスを入れることです。サビの部分で言えば、「生まれ変わったって 変わらなくたって んなこたぁどうだっていいんだぁ」という2番目のフレーズの最後、「ぁ」の部分を妥協して無理矢理ブレスを入れます。
原曲では「ぁ」の部分にも音符(mid2F)が割り当てられており、省略すると原曲と少しニュアンスが変わります。しかし、現実的にCD通りに歌い切るのは難しいので、ここ1音を省略して、ブレスを入れてください。ライブなどでは野田さんはそうした方法を使っているようです。
逆に、呼吸に自信がある方は、サビの最初から最後までぶっ通しで歌うか、どこか上手いタイミングでブレスを入れてください。
非常に難しい楽曲ですが、歌えると間違いなくカッコいい楽曲だと思います。当然ですが、歌詞はしっかり覚えておくことも肝要です。