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『Beggin’』( Måneskin ) の 音域

 こんにちは。今回はMåneskinの『Beggin’』(2017)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回はリクエストによる選曲です。


『Beggin’』(Måneskin)
『Beggin'』(Måneskin)の音域






【地声最低音】mid1A#(A#2) ※全体で2回程度

★I need you m1E[to] un[ders[ta]nd]Em1D【2番Aメロ】
★Tried so hard to be your ma[n]m1A#


【地声最高音】hiA#(A#4) ※ラストサビで1回

★(So put your loving) m2F#[hand out] hiA#[da]rlin’]【ラストサビ】


【補足】mid2Dmid2F#を含むフレーズ一覧

★Put your m2D[lo]ving [hand] out, baby ‘Cause [I’m] be[e]eggin’【イントロ】
★I’m m2Em2D[beg]gin’], E[be]ggin’] yo[u]u【サビ】
★So m2D[put] m2E[your] [loving] hand out [ba]by
★m2E-D[Ri]din’ high], when E[I] D[was king]【Aメロ】
★So,m2D[any] time I need ya, let me go Yah【Bメロ
★What m2D[we do]in’? What [we cha]sin’?【2番Bメロ】
★Put m2E{your] m2D[loving] m2F#[hand out] EF#[ba[by]【ラストサビ】

 まず、『Beggin’』(ベギン)についてです。この楽曲は、2017年にイタリア出身のロックバンドMåneskin(マネスキン)によりリリースされたEP『Chosen』の1曲として発表されました。『Beggin’』はシングルとしてのリリースではないものの、発売当初は本国イタリアを中心にヒットし、国内でゴールド認定がなされます。

 『Beggin’』が世界的に大きく注目を集めたのは2021年です。欧州放送連合が主催するコンテストユーロビジョン・ソング・コンテスト2021での優勝をきっかけにバンドに注目が集まり、大きな知名度を獲得していきます。中でも、楽曲『Beggin’』はセールス面でも大きなヒットを記録しました。カバー曲ながら同バンドの代表的な作品の1つです。ちなみに、オリジナルの楽曲は、1967年にフォー・シーズンズ (The Four Seasons)によりリリースされております。
 ちなみに、Måneskinは今年に入り、アルバム『Rush!』を発表しており、前日はミュージックステーションにも出演しております。私自身はアルバムも印象残ったので、興味のある方はチェックしてみるのもよいと思います。

 『Beggin’』はアッパーなファンク・ロックです。歌のイントロ始まります。世界的にはロック曲というのは人気が衰退してきているのですが、同曲はダウナーかつノリの良いロック曲となっています。Måneskinの他の楽曲でもいえるのですが、ボーカルのダミアーノ・ダヴィドさんのエッジの利いた発声が特徴的であり、非常に心地よいです。

 『Beggin’』の音域的な特徴についてです。同曲は、大よそ一般的な男性の音域の範囲内(一部は高め)のレンジで歌メロが作られております。歌い慣れた人であれば、原曲キーで歌唱することも叶うのではないかと私は推測しております(ただ、原曲のニュアンスで歌うのは難しそう)。
 同曲は全体的にmid2A~mid2Eといったレンジでメロが展開され、終盤ではmid2F#~hiAが一部で見られます。反面、2番のAメロなど一部ではmid1E,mid1D#やmid1A#といった中低音が登場するフレーズが数回程度見られます。こうしたことを踏まえると、「全体的に中高音寄りの曲であるが、一部で低い音が登場する」といえそうです。

 ちなみに、女性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを上げた方が歌いやすいです。今回の楽曲は音域的にはmid1E以下が少ないため、女性が原曲キーで全く歌えないというわけではないです。ただ、女性の得意な声域を考慮すると、原曲キーから4つ程度上げる(#4)と、よりマッチするのではないかと私は分析しております。



 最後に『Beggin’』の音域についてですが、【地声最低音】mid1A#(A#2)~【地声最高音】hiA#(A#4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域の範囲内(一部が高め)です。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid1A#は2番Bメロで登場します。このmid1A#はフレーズの終わりの瞬間的な音です。そのため、そこまで厳密な音程にこだわらなくてもよいのではないかと私は判断しています(歌えるに越したことはない)。低音域は大体mid1D辺りが歌えると安定してくると思います。「高音域が得意な男性」などは少しキーを上げるのもよいかもしれません。

 次に、地声最高音hiA#はラストサビで登場します。登場回数は1回のみです。このhiA#については、やや聞き取りづらく、場合によってはhiA辺りでも違和感なさそうです。そのため、hiA#についても厳密な音程にこだわらなくてもよいと思います。また、hiA#に次ぐ地声高音としては、mid2F#がピークとなる場面が全体で2回程度登場します。中高音域としては、mid2D~mid2E辺りが多く見られます。そのため、全体的には標準的な音域であり、終盤の一部が高めといえます。一部を除くと低音が高い分、標準よりやや高めの音域の男性の方が余裕のある歌唱ができると思います(標準的な音域の男性も原曲キーで歌唱しうる)。キーを下げる場合は、原曲キーから1~2つ程度下げてみてください。


 『Begin’』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。今回の最低音mid1A#はそこまで厳密な音程にこだわらなくてもよさそうなので、見た目の音域よりもキーを下げる余地があります。そのため、歌い慣れた人であれば、ある程度自分が得意なレンジに調整することができると思います。
 ボーカルのダミアーノ・ダヴィドさんはかなりエッジを利かせた歌唱をしているため、そうした点まで再現しようとすると難易度が上がります。ただ、音域がそこまで高くないため、余裕のある方はダミアーノさんの表現を参考にしてみてもよいと思います。また、歌詞は全て英語詞であるため、その点でハードルだと感じる人も多いかもしれません。

 『Begin’』を原曲キーで歌唱する場合、mid2D~mid2E(一部でmid2F#~hiA#)といった中高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。今回は一部を除くと、mid2A~mid2Eのレンジで歌メロが展開され、いずれも地声ベースです。そのため、標準的な男性でも原キーでのチャレンジができそうですが、多くの場面で声域が中高音に寄っている分、人によっては少し高いかもしれません。
 こうしたことを踏まえると、「標準的(orやや高め)~高音域が得意な男性」が原曲キーにマッチしやすいと私は推測しました。

【まとめ】

①一部を除くと中高音が多いが、高音域が求められる場面は少ない
②原キーだと「標準的(orやや高め)~高音域が得意な男性」などに合いそう
③歌詞は英語詞であり、その点がハードルになるかも
④ボーカルはガラガラしたニュアンスで歌っているので、そうした点を真似てみるのもよい

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