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『航海の唄』(さユり)の音域 / 『僕のヒーローアカデミア』ED曲

こんにちは。今回はさユりさんの『航海の唄』(2019)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回はリクエストによる選曲です。
 なお、『航海の唄』のMVは公式チャンネルではショートバージョンのみが公開されております。一方で、同曲は、THE FIRST TAKEでも歌唱されておりますので、今回はそちらの動画を添付いたします。


『航海の唄』(さユり)、Koukai no Uta(Sayuri)
『航海の唄』(さユり)の音域






【地声最低音】mid1G#(G#3) 

★ひhiA#[と]m2G#[り]m1G#[岐路]m2A[立]G#[つ]【Aメロ】
★やm2A[ぶ]m1G#[れ]A[た地]図のhiA裏[さ]きを m2A[記]し始めた [う][の]真ん中【Cメロ】


【地声最高音】hiC#(C#5)  ※サビで特に多いです

★失いがたい光だった 優しい易しい hiC#[あい]hiC[だっ]m2G#[た]【Bメロ】
★つhiA[よ][は][ら][い 何][持][て]hiC#[無]hiB[く][て][い]【サビ】
★そhiA[れだ]hiC#[け]hiB[が][君]B[ぃ][をす]B[く][うだろう]
m2G#[さ]hiA[あ 臆]せず 歩hiC#[き][ぃ出]

※1番サビ直後のロングトーンもhiC#です。


【補足】mid2G#(一部のみ)hiBを含むフレーズ一覧

★手にしたい光がある君は今 寄るm2G#[辺]も無く【Aメロ】
★それでm2G#[も]、君[は 行く]んだろ【Bメロ】

★(強さは要らない 何も持って無くていい)しhiA[ん][る]hiB[そ]A{れ][け]でいい【サビ】
★正解なんて無いね 分かっていてもいhiA[た]m2G#[むも]の ねぇ【Cメロ】
★おhiA[お][を][ぞ]んで[る? いる][け]hiB[じゃな]い た[だ]
m2A[新しい]扉のm2G#[先]hiA[ぃ] ふ[ね][進ん]hiB[でく]

※1番サビおよびラストサビ直後の、ロングトーンのフェイクはhiC#

 まず、『航海の唄』(こうかいのうた)についてです。この楽曲は、2019年に女性シンガーソングライターのさユりさんによりリリースされたシングル作品です。同曲は、先に配信限定のシングルとしてリリースされ、その後CDシングルとしても発売されました。現在、フルアルバムとしては未収録でありますが、2020年にリリースされた弾き語りアルバム『め』に、弾き語りバージョンが収められております。

 『航海の唄』は堀越耕平さんの同名漫画を原作としたテレビアニメ『僕のヒーローアカデミア』のエンディングテーマとして書き下ろされました。ヒロアカのオープニング曲、エンディング曲としては、これまでに米津玄師さんの『ピースサイン』、BLUE ENCOUNTの『ポラリス』、緑黄色社会の『Shout Baby』といった人気曲を送り出しております。さユりさんの『航海の唄』についても、さユりさんのSpotifyの人気曲で上位に位置しております。

 ヒロアカは、2021年4月時点で国内のコミックスの発行部数は3700万部、全世界累計発行部数は5000万部を超える人気作となっております。とりわけ、米国などで人気が高く、ハリウッドでの実写映画化などの噂も絶えません。この辺りは、『ヒロアカ』がアメコミなど影響を受けた作品ある点もあるのではないかと私は考えております。


 さて、『航海の唄』はアップテンポのバンドナンバーであります。ストリングスなども使われており、楽曲を盛り上げます。また、同曲はBメロ⇒サビにかけて転調が行われます。そのため、慣れていないと若干音程が取りにくいかもしれません。作詞作曲はさユりさん、編曲は江口亮さんによりなされております。江口さんはさユりさんの作品では『月と花束』、『ミカヅキ』といった人気曲の編曲にも携わっております。さユりさん以外では、いきものがかりやLiSAさん、近藤晃央さん、School Food Punishmentなどとも縁が深いプロデューサーであります。


 『航海の唄』の声域的な特徴についてです。同曲は、大よそ女性の声域の範囲内(もしくはやや高いレンジ)で歌メロが作られております。ただ、上述しておりますが、地声最高音hiC#を含むフレーズががサビで多く登場します。それに加え、メロとメロとの間に息継ぎを入れる間が短いため、サビでの歌唱が非常に大変なのではないかと思います。よって、一般的には少しキーを下げた方が歌いやすいです。

 当ブログでは、これまでいくつかのさユりさんの楽曲を分析して参りました。その中で、私なりの感じたことは、さユりさんの作品は、①サビを中心にhiA~hiC#辺りの「やや高めの音階」が頻出し、しかも②メロとメロとの間が短く、息継ぎしにくいものが多い印象です。例えば、『平行線』(過去記事)『月と花束』(過去記事)『ミカヅキ』(過去記事)といった作品を通じてそう感じました。

 さユりさんは「酸欠少女さユり」というキャッチフレーズを有しております。これは、若い世代の「世の生きにくさ」などを比喩しているのだと私は認識しておりました。ただ、今回『航海の唄』を聴いて、「さユりさんの人気曲そのものが、酸欠になりそうなメロディー」の傾向を持っていると考えました。最近のJ-POPシーンでは息継ぎしにくい曲が増えておりますが、アコースティックギターを主体とした歌手としては少し珍しいかもしれません。


 最後に『航海の唄』の音域についてですが、【地声最低音】mid1G#(G#3)~【地声最高音】hiC#(C#5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の声域の範囲内、もしくはやや高めといったところです。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid1G#はAメロやCメロで登場します。このmid1G#は滅茶苦茶には低いレンジではないですが、mid2Aと一緒に登場する分、少し低音感を感じるかもしれません。

 一方、地声最高音hiC#はサビを中心に多く登場します。正確な回数を数えていませんが、全体として多く、またhiBなどの音階とコンボになっております(ちなみに、サビ終了後のフェイクのロングトーンもhiC#)。一般的にはキーを下げた方が歌いやすいです。目安として、原曲キーから1~2つ程度下げてみてください(♭1~2)。


 『航海の唄』は低音部分に若干の余裕があり、キー下げは可能です。歌い慣れた人であれば、自分の得意なレンジに調整できるのではないかと思います。一方、ビギナー向けの調整も可能だと思いますが、低音が若干歌いにくくなるかもしれません。キー調整しても難しいと感じた場合は、「低音は曖昧でもいいので、サビ等は頑張る」といったふうに強弱を付けて練習してみてください。最初は完璧に歌いこなせなくてもよいと思います。

 『航海の唄』は先にも述べたように、サビでhiA~hiC#辺りが多く登場します。また、メロとメロとの間が短く、息継ぎなどが行いにくいです。よって、練習する際に「ここで息継ぎを意識的に入れる」といった決まり事を作っておくとよいと思います。また、今回添付してあるTHE FIRST TAKEの動画で、さユりさん自身が弾き語りをされております。そうしたライブ動画で、さユりさん本人がどこで呼吸を入れているかといったことも参考にされるとよいと思います。
 原曲キーで歌唱する場合は、ある程度高音域が得意な人向けであり、スタミナも要求される楽曲であると私は分析しました。

 『航海の唄』は人気アニメの主題歌ということもあり、カラオケなどでも盛り上がりやすいと思います。息継ぎやキーなど少し難しい部分もありますが、興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。

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コメント

  1. ぴたっくま より:

    この曲もですし女性ボーカルの歌は1番までは良くてもラスサビ辺りできつくなることが多いですねー、男のハイトーンとはなんか違う感覚しますよね

    • もりっしー より:

      コメントありがとうございます。

      なんとなくなのですが、
      同じ最高音hiC#でも、女性曲の方が平均的な音が高いのではないかと思います。
      今回の曲も、何気にhiAとかが滅茶苦茶多いんですよね。
      m2G#辺りを入れると、完全にゴチャゴチャなります。

      自分は男性曲で最高音hiCなら、一応選択肢に入るのですが、
      最高音hiCの女声曲だとホントにいっぱいいっぱいという感じです。
      後者は喉の調子が悪いと完全にダメですね。