『ANTENNA』( Mrs. GREEN APPLE ) の 音域

　まず、『ANTENNA』（アンテナ）についてです。この楽曲は、２０２３年にロックバンドMrs. GREEN APPLEによりリリースされたアルバム『ANTENNA』に収録されております。同アルバムには、『ケセラセラ』(過去記事)、『Soranji』(過去記事)、『Magic』(過去記事)いったシングル曲が収録されております。同アルバムは、初週で約6万枚のCDセールスを記録し、ミセスとしては過去最高のアルバム初動売上を記録しております（ビルボードより引用）。

　さて、『ANTENNA』はアルバムの表題曲で、１曲目の収録されております。そうしたこともあってか、ノリの良いバンド曲であり、カラオケなどで歌うと楽しい作品なのではないかと私自身も感じました。作詞作曲は大森元貴さん、編曲は大森元貴さんと花井諒さんによりなされました。


　『ANTENNA』の音域的な特徴についてです。同曲は男性の音域としては高いレンジで歌メロが作られております。低音域には余地があるため、一般的な男性はキーを下げた方が歌いやすいと思います。
　同曲はラストサビの直前の落ちサビでmid1D#,mid1Eといった低音が登場します。ただ、この場面を除いたAメロBメロサビDメロについては低音は比較的高く、中高音寄りのメロになります。そのため、体感的には高く感じやすいのではないかと推測しております。

　ちなみに、女性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを上げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから２～３つ程度上げてみてください（#2～#3）。ただ、音域は相変わらず広いですので、歌い慣れた人向けの楽曲になります。



　最後に『ANTENNA』の音域についてですが、【地声最低音】mid1D#(D#3)～【地声最高音】hiA#(A#4)、【裏声最高音】hiE(E5)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、高め～高いです。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1D#はラストサビの最初の【落ちサビ】の部分で登場します。この場面はでmid1Eなども見られますが、いずれも男性の音域の範囲内です。高音域が非常に得意な男性だと若干歌いにくいかもしれませんが、全体としてmid1E以下の場面が限定されます。

　次に、地声最高音hiA#はBメロとサビを中心に登場します。登場回数は５回程度です。このhiA#に次ぐ地声高音として、hiAをピークとする場面が全体で６回程度見られます。こうしたことを踏まえると、一般的な男性の音域としては高く、通常はキーを下げた方が歌いやすいと思います。


　『ANTENNA』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。歌い慣れた人であれば、ある程度自分が得意なレンジに調整することができると思います。ただ、ミセスではお馴染みの裏声は今回も多いですので、「器用な裏声発声は必要不可欠」になります。そうしたこともあり、ビギナーの練習曲には向きにくいのではないかと私は判断しております。

　『ANTENNA』を原曲キーで歌唱する場合、mid2F～hiA#といった地声高音をしっかり歌いこなせる力が求められます。先述のように、今回は落ちサビ以外の場面では低音が高く、中高音寄りです。そのため、原曲に近いニュアンスで歌唱する場合、ある程度の高音適性が不可欠になりそうです。
　こうしたことを踏まえると、「(ある程度)高音域が得意な男性」が原曲キーに合いやすいと私は判断しました。また、低音域が得意な「標準より低めの音域の女性」などももしかしたら原曲キーがマッチする可能性があります。ただ、女性の場合は通常はキー上げを推奨します。


　『ANTENNA』はノリの良いバンド曲であり、カラオケなどでも歌いやすいと思います。ミセスの久々のアルバムということもあり、楽しみにしていたファンも多いと思います。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。

　　※当ブログがこれまでに取り上げたミセスの作品については、以下をご参照ください。『Mrs. GREEN APPLE』の音域一覧(まとめ)。