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『マスカラ』(SixTONES)の音域

 こんにちは。今回はSixTONESの『マスカラ』(2021)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回はリクエストによる選曲です。
 なお、同曲は、アーティストおよびレーベルのYouTube公式チャンネルではMVがフル公開されておりません。今回の楽曲は、裏声最高音と地声最低音が、動画ではカットされている2番の中で登場します。その辺りを踏まえて、参照ください。


『マスカラ』(SixTONES)、Mascara(SixTONES)
『マスカラ』(SixTONES)の音域






【地声最低音】mid1D(D3) ※曲全体で1回

m1E[わかり]きっていた m1D#[変わりきっ]てしまった【Bメロ】
★なれるかな 見えすいたm1E[完璧]なフリは もうやめて【1,2番サビ】
m1D[当た]m1E[り前の仕]合わせ[を] 喰らえど喰らえど【2番Bメロ】

※m1Dは重要度はそこまで高くない。全て記載してないが、m1Eの登場回数がかなり多い。


【地声最高音】mid2G#(G#5)  ※ラストサビ[転調+1]で2回

m2F[つ]m2G[よ]m2G#[く]G[な]れたならば 優しく【ラストサビ[転調+1]】

※通常のサビではm2Gが最高音です。

【裏声最高音】hiA(A4) ※曲全体で1回

★山ほhiA裏[ど]m2G地-m2F#[見]せた[け]ど]【2番Aメロ】


【補足】mid2Emid2Gを含むフレーズ一覧

★かm2E[ざら]ない笑顔で m1E[あ]りきたりなキスをして【Aメロ】
★なm2E[さけ]ないすm2F#[がた]m2G[も]【2番Aメロ】

m2E[終わら]ない夢のm2F#m2G[は[ざ]ま]E[を]切り裂いた【Cメロ】
☆出会った二人のまm2E[ま] あの頃の二人のまm2F[ま]【ラストサビ~ラストサビ[転調+1]】
★かm2F[ざら]ない笑顔で ありきたりなキスをして【ラストAメロ[転調+1]】

 まず、SixTONES(ストーンズ)について少し説明します。SixTONESは2015年結成、2020年にデビューしたアイドルグループです。グループ名は、2019年に逝去されたジャニー喜多川さんにより命名され、ジェシーさん、京本大我さん、松村北斗さん、髙地優吾さん、森本慎太郎さん、田中樹さんの6名からなっております。
 SixTONESは、今回取り上げる『マスカラ』を含め、これまでに5枚のシングルをリリースしております。いずれも大きなヒットを記録して、2020年には日本ゴールドディスク大賞のニュー・アーティスト・オブ・ザ・イヤー(邦楽部門)を受賞しました。また、同じ年にデビューしたSnow Man(スノーマン)とはライバル関係にあり、1stシングル『Imitation Rain/D.D.』はSixTONESとSnow Manの楽曲が1曲ずつ両A面として収録されております(『Imitation Rain』は作詞作曲アレンジをX JAPANのYOSHIKIさんが担当)。「平成」ではSMAPや嵐といった先輩アイドルが国民的なグループとなりましたが、SixTONES、Snow Manともに「令和」を代表するアイドルグループとしての飛躍が期待されます。


 さて、『マスカラ』についてです。同曲は、2021年に6人組アイドルグループSixTONESによりリリースされたシングル作品です。最新シングルであり、2021年8月現在アルバムには未収録です。同曲は、最近の人気アーティストでは珍しいノンタイアップのシングルであります。私自身は、化粧品などのCMソングなどに非常に合いそうな作品だと感じたのですが、それだけ楽曲の質で勝負したいという気持ちの表れかもしれません。作詞作曲編曲はKing Gnu、millennium paradeのフロントマンである常田大希さんが務めております。

 『マスカラ』はアップテンポのダンスポップナンバーです。アレンジはアコースティックギターが基調となっており、R&Bやラテン音楽などのハイブリッドとなっております。演奏時間も3分半程度となっており、密度が濃いです。
 歌メロについては、AメロBメロサビといった形で作られており、その辺りでは親しみやすい展開ではないかと思います。一方で、作詞作曲アレンジが常田大希さんということもあってか、歌メロのアップダウンが激しいです。歌唱する際は、正確な音程が求められます。また、ラストのサビでは転調し、キーが1つ上がります(#1)。が、ここもテンポが速く、音程が少し取り辛いかもしれません。

 『マスカラ』の音域的な特徴についてです。同曲は、大よそ一般的な男性の声域の範囲内、もしくは若干高いといったレンジで歌メロが作られております。単純にレンジだけ見ると比較的取っ付きやすいといえます。ただ、上述の音域表記などでは少しわかりにくいですが、同曲は歌メロの上下が激しく、その点でしっかりとした音程のコントロールが求められます。要所要所で裏声が用いられたり、リズムも取りにくい場面もあり、アイドル曲としてはもちろんですが、J-POPの中でもある程度難しいのではないかと思います。複数人がボーカルを務めている点も難易度を高めています。
 ちなみに、同曲を女性が歌唱する場合は、もっとキーを上げた方が歌唱しやすいと思います。低音域が得意な方は原曲キーでも可能かもしれませんが、一般的なJ-POPの女性曲が合いやすいレンジの女性は、原曲キーでは取っ付きにくいと思います。一つの目安ですが、原曲キーから4つ程度上げてみてください(#4)。


 最後に『マスカラ』の音域についてですが、【地声最低音】mid1D(D3)~【地声最高音】mid2G#(G#5)、【裏声最高音】hiA(A4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域の範囲内、もしくはやや高めです。以下、見ていきます

 まず、地声最低音mid1Dについてですが、ここは多少音程がズレてもよいのではないかと思います。重要度としてはそこまで高くありません。一方で、同曲は、mid1E辺りの低音が非常に多く登場します(音域表記では一部のみしか記載できずにかたじけない)。こちらの方は、サビ等でも登場し、重要度が高いです。

 一方で、地声最高音mid2G#については、ラストのサビで登場します。回数としては2回程度です。同曲は、ラストのサビで転調が行われるため、通常サビではmid2Gが最高音となります。mid2G#辺りになると、歌い慣れた男性であっても少しずつスムーズな発声が損なわれやすくなります。場合によっては、キーを少し下げてもよいかもしれません。目安としては、原曲キーから1つ程度下げてみてください。

 『マスカラ』は低音部分に若干の余裕があり、キー調整は可能です。歌い慣れた人であれば、自分の合いやすいレンジに調整することができるのではないかと思います。一方で、先にも述べましたが、同曲はメロのアップダウンが激しく、意外と低い音が多く登場します。そのため、図で示す程にキーを下げる余地は少ないと私は分析しました。私なりの解釈ですが、ビギナーなど歌い慣れていない人にはやや手を付けづらいのではないかと思います。
 『マスカラ』は音域面以外でも、リズムや発声の微妙な調整など難しい部分があります。また、ボーカルが6人いるということもあり、メロとメロとの切れ目が少なく、息継ぎしにくい部分もあります。場合によっては複数人で歌唱することも選択肢に入れていいかもしれません。

 『マスカラ』はアイドル曲とはいえ、難しい部分も多いです。ただ、カラオケなどでも歌いやすく、歌いこなせると気持ちいいのではないかと私自身強く感じました。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。

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コメント

  1. やま より:

    今回も調査お疲れ様です。
    母の影響でSixTONESなどジャニーズ関連よく聴くのですが、やっぱり歌唱力はずば抜けてます。京本大我さんは本当にあっぱれです。
    BE CRAZYという楽曲があるのですが、ライブもCD音源もどちらもはっきりと地声hiC#出してますw

    • もりっしー より:

      コメントありがとうございます。
      そうなのですね。この「マスカラ」も結構難しい作品ですよね。