『黄色』(back number)の音域[2021の作品]

★どうm2G裏[か綺]hiB[麗]m2F#地[な ま]m2E[ま]で育F#裏[っ]G[てね]【Bメロ】
★息がm2D#[出]来[な]hiA[くなっ]hiB[て]m2G–m2F#[し]ま[う]【サビ】

★目が合った瞬間でじm2E[か]んが止まる【サビ】
★誰かの笑う声がした m2G裏[ま]だ私は動けないでいる

　まず、『黄色』（きいろ）についてです。この楽曲は、2021年に3人組ロックバンドback numberによりリリースされた21枚目のシングル作品です。最新曲ということもあり、アルバムには収録されておりません。ちなみに、カップリング曲はアップテンポなバンドナンバーの『勝手にオリンピック』です。
　『黄色』は恋愛リアリティーショーの「虹とオオカミには騙されない」の主題歌として書き下ろされました。恋愛番組「オオカミ」シリーズは過去に蔦谷好位置さんプロデュースの『『ROOFTOPS feat.藤原聡 (Official髭男dism)』』(過去記事)や、あいみょんさんの『桜が降る夜は』(過去記事)、Aimerさんの『コイワズライ』(過去記事)といった楽曲が主題歌・挿入歌として起用されており、意外と人気歌手が多く見られます。
　『オオカミ』シリーズはインターネットテレビの番組ということで、決して大きなタイアップではないのですが、『黄色』のMVは、2021年10月現在、再生回数が400万回を超えており、高い人気となっております。後述しますが、MVなども大きな反響を呼んでいるようです。


　さて、『黄色』はスローテンポのバンドナンバーです。冒頭でサビの1フレーズが挿入され、楽曲が始まります。その後、AメロBメロサビCメロへと展開していきます。バンドの演奏に加え、ストリングスやピアノなども用いられており、楽曲に彩りを与えております。作詞作曲は、清水依与吏さん、編曲は小林武史さんによりなされております。私は楽曲を視聴しながら、Cメロなどを聴いて「おそらく、小林武史さんだろう」と考えました。

　『黄色』の歌詞は切ない片思いが歌われた作品となっております。一方、同曲のMVでは同性愛が描かれており、歌詞に一層の深みを与えております。近年は、LGBT（レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー）といった性的マイノリティへの理解も進みつつありますが、現状様々なハードルが見られます。そうしたこともMVへの共感に繋がっているのだと思います（MVそのものの内容も素晴らしいです）。私自身は、ロケ地はどこだろうかと考えたりもしました。


　『黄色』の声域的な特徴についてです。同曲は地声最高音がmid2Gと大よそ一般的な男性の声域の範囲内で歌メロが作られております。ただ、上述のようにサビで地声最低音が多く登場するなど、メロのアップダウンが激しいです。また、音域自体が滅茶苦茶には広くない分、表現にも重きが置かれているように私は考えました。キー調整は可能ですが、ある程度歌い慣れておく必要があります。



　最後に『黄色』の音域についてですが、【地声最低音】mid1D(D3)～【地声最高音】mid2G(G4)、【裏声最高音】hiB(B4)で歌メロディーが構成されております。地声については一般的な男性の音域の範囲内（もしくは若干高い）といった程度です。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1Dについては、Aメロやサビ等で登場します。登場回数は意外と多く、低音が苦手な方は少し歌いにくいかもしれません。高音域が得意な方はキーを上げてもよいと思います。

　ちなみに、私なりのイメージですが、「地声最低音mid1D」くらいになると、「一般的な男性の音域の範囲内（もしくは少し高い）」に当てはまる曲が増えていきます（当然、最低音がこの音階でもhiAやhiCなどが地声最高音になることもありますが）。


　一方、地声最高音mid2GはサビやCメロ等で登場します。この辺りは一般的な男性の声域の範囲内になりますが、登場回数がやや多いです。よって、場合によっては、キーを下げることもありえると思います。キー下げをする際は、原曲キーから１～２程度下げてみてください（先にも述べたように、個人差があり、高音が得意な方は上げてもよい）。


　『黄色』は、上の鍵盤画像を見ると低音部分に余裕がありますが、mid1D辺りは登場回数が多いですので、意外とキーを下げる余地は多くないのではないかと私は分析しました。よって、歌い慣れた人の場合は、自分の歌いやすいレンジに調整しやすいと思います。
　一方で、普段あまり歌い慣れていない人は、キーを下げても難しいということはあり得るかもしれません。もし、キーを調整を行っても難しいと感じた場合は、別の易しめの曲と並行して練習してください。

　『黄色』を原曲キーで歌唱する場合、mid2E～mid2G辺りの地声レンジがしっかり歌えることがカギとなります。また、裏声も登場しますので、それらも必要になります。同曲は、サビで地声最低音mid1Dが登場する等、意外とアップダウンが激しいです。そうしたことも踏まえて練習に励んでください。個人的には、Cメロの【（小さな身体を）突きやm2E[ぶっ]m2F#[て]m2G[そらを]F#[ぉ]】の部分は、やや音程が取り辛いのではないかと思います。
　この楽曲は、中高音が比較的多いですが、当ブログでよく表現する「中高音が多く、スタミナが要求される曲」には分類しませんでした。『黄色』は、「高音域が辛いという曲」というよりは、アップダウンが多く、その分繊細な表現が求められる作品なのではないかと私は考えております。

　『黄色』はバクナンらしい切ない恋愛ナンバーですが、カラオケなどでも歌いやすい作品ではないかと思います。歌詞なども非常に良いですので、興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。