こんにちは。今回はOfficial髭男dismの『Chessboard』(2023)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回はリクエストによる選曲です。
※当ブログがこれまでに取り上げたヒゲダンの作品についてはこちらをご覧ください⇒ヒゲダンの音域一覧
『Chessboard』(Official髭男dism)
【地声最低音】mid1D(D3)
★チェスボーm1D{ド]みたいなこの世界へ僕らは【Aメロ】
★ルールもないまm1E[ま]に生まれてきた
★m1D[しあ]わせと[悲]しみの市松もよm2G裏{う] [そ]のどこかで
★m1E[不]意に誰かとなm1D[り]に来て【Bメロ】
【地声最高音】hiC(C5) ※全体で5回程度
★hiB–hiA#^-hiC地–B–A[どん]な[こ[と]が]待]ち受けてい[る]のだろう?【Aメロ[オク上]】
★大きなhiA–A#–hiC[ほ[は[ば]で ひとっ飛び[のA#[ナ]イ]トやクイーン【Cメロ】
★みたいhiA–A#–hiC[に[な[れ]る]日]A#[ば]か]りじゃない
★後悔も旅立hiA–hiB[ち[も] hiC地–B[す]べて]
【裏声最高音】hiG(G5) ※ラストで1回
★果てないこのhiA[盤上]でま[たhiB地[出会え]るかhiG裏[な]【ラストAメロ】
【補足】hiA~hiDを含むフレーズ一覧
★小さm2G–hiA–hiB地[な[ひ[と][マ[ス]A [そ[A[こ]で]あ[な]たに会えたん[だぁぁA[ああ]【Bメロ】
★m2G[ゲームは]つhiA地[づいてく]【Aメロ[オク上]】
★こhiA–hiB地[の[フィールド]でhiD裏–C[今]度は]
★からこそつまhiD裏–hiC[づ]いた] 進めずに引きかD裏[えし]た【Cメロ】
★美しい緑色 こちらm2G[に]は見えてい[るよ]【Dメロ】
★そのhiA裏–hiB–hiC[こ[た[えが] C裏–B[待]つ]日]まで【ラストAメロ】
まず、『Chessboard』(チェスボード)についてです。この楽曲は、2023年に4人組ロックバンドOfficial髭男dismによりリリースされたシングル作品です。現在は配信限定のシングルですが、9月にCDシングルとしてのリリースが予定されております(『日常』との両A面)。
さて、『Chessboard』は、NHK主催の合唱コンクール『第90回NHK全国学校音楽コンクール』の中学校の部課題曲として制作されました。Nコンでは2000年代後半頃から、ポップスのミュージシャンに作曲を依頼することが恒例となっており、アンジェラ・アキさんの『手紙 〜拝啓 十五の君へ〜』(過去記事)、いきものがかりの『YELL』などが知られております。当ブログでも、DISH//の『Replay』(過去記事)、flumpoolの『証』(過去記事)といった楽曲を取り上げたことがあります。
さて、『Chessboard』はスローなバンド曲です。歌メロはAメロBメロを軸として展開し、その後CメロDメロといった場面が登場します。通常J-POPではAメロBメロサビという展開をします。ただ、今回は合唱曲を意識してか、楽曲の進行に従い、Aメロが1オクターブ上で登場したりします。これはおそらく、「低音の男性パート」と「高音の女性パート」を意識したような展開なのだと私は推測しております。。
ちなみに、同曲は1オクターブ上のAメロやCメロの部分で、英国の伝説的ロックバンドQueenをオマージュしたようなフレーズが見られます(歌詞にも【クイーン】と登場する)。MVでもボーカルの藤原聡さんのシルエットがフレディ・マーキュリーを思わせるポーズをとっております。Queenは日本での人気の高いバンドであり、思わずニヤリとさせられる人も多いのではないかと私は推測しました。
『Chessboard』の音域的な特徴についてです。同曲は、男性の音域としては高いレンジで歌メロが作られております。低音域には余地があるため、一般的な男性はキーを下げた方が歌いやすいです。
同曲はAメロとBメロの前半辺りは中低音域が多いのですが、Bメロの終盤・Aメロ[オク上]CメロになるとhiA~hiCといった地声高音が多くみられるようになります。そうした影響もあり、音域が広い作品となっています。合唱曲ということもあるため、低音パートや高音パートに分けて複数人で歌うのもよいと思います。
女性が同曲を歌唱する場合についてです。女性については、低音域が得意な人は原曲キーで歌うのもよいと思います。逆に、高音域がある程度得意な人だとキーを下げた方が歌いやすいです。私としては、ある程度歌い慣れた女性であれば、キーを少し上げた方がよいのではないかと思います。ただ、今回は音域自体がかなり広いため、歌える人が限定されうる楽曲ではないかと分析しました(これは男性も同様)。
最後に『Chessboard』の音域についてですが、【地声最低音】mid1D(D3)~【地声最高音】hiC(C5)、【裏声最高音】hiG(G5)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、「高い」もしくは「かなり高い」です。以下、見ていきます。
まず、地声最低音mid1DはAメロやBメロで登場します。この辺りは男性の音域の範囲内です。ただ、高音域が非常に得意な男性だと若干歌いにくいかもしれません。練習を重ね、丁寧な発声を心掛けたいです。
次に、地声最高音hiCは、Aメロ[オク上]やCメロで登場します。登場回数は5回程度です。いずれもhiB,hiA#などとのコンボになっており、高音感があります。この最高音hiCに次ぐ高音階としては、hiBをピークとした場面が全体で8回程度見られます。こうした点を考えると、一般的な男性にとってはかなり高く、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから4つ程度下げてみてください(♭4)。
『Chessboard』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。ただ、今回は音域自体がかなり広いため、歌い慣れた人であっても難しい部分が出てくるかもしれません。キー調整などを考慮しても音域の広さが要求されます。
今回の楽曲は合唱曲であり、比較的メロが親しみやすいです。ただ、一部で転調などが行われ、人によっては音程が取りにくい部分も見られます。具体的には、BメロやDメロで音程が取りにくい傾向があります。そのため、ビギナーの練習曲などにも向きにくいと私は推測しました。
『Chessboard』を原曲キーで歌唱する場合、hiA~hiCといった高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。とりわけAメロ[オク上]やDメロでは高音階の頻度が高いです。また、最近のJ-POPでは当たり前になっておりますが、器用な裏声発声も不可欠です。終盤では裏声でhiGといったかなり高い音が見られます。
こうしたことを踏まえると、「高音域が非常に得意な男性」が原曲キーにマッチしやすいと私は判断しました。ただ、今回は低音域も比較的低く、頻度も高いため、安定した低音の歌唱も不可欠になります。場合によっては、低音域と高音域のパート分けをして、複数人で歌うのもよいと思います。
【まとめ】
①音域が広く、低音~高音まで広く求められる
②低音は標準的だが、高音域は男性としては(かなり)高い
③BメロやDメロは少し音程が取りにくそう
④「低音(男性)、高音(女性)」のようにパート分けするのもよい
※当ブログがこれまでに取り上げたヒゲダンの作品についてはこちらをご覧ください⇒ヒゲダンの音域一覧
コメント
ありがとうございます!聴いてる感じは髭男の曲としては、歌いやすそうだなという感じでしたが、やはり全然高いですね笑
コメントありがとうございます。
確かにヒゲダン曲としては結構歌いやすいかもですね。
あまり難しいと、課題曲として成り立たない可能性がありますよね。
ありがとうございます!
Nコン課題曲、去年のReplayは歌いやすい音域でしたが、これは…ちょっと難しいですね笑
コメントありがとうございます。
中学生の課題曲としてはかなり難しいと思います。
去年との落差は凄まじいです。
ユアネスの「 私の最後の日 」という曲を調べてくださいませんか?
DAMは最低音をF2に設定しましたが、自分に聞いたよりすごく低い、ちょっと迷いました。
リストアップしておきます。
初めて聴く曲なので楽しみです。
コメント失礼します。
「〜旅立ちもすべて」の「べて」はhiBではないでそょうか?もし間違ってたらすみません。
というかほんとに記事わかり易すぎます。
いつも拝見させていただいてます♀️
コメントありがとうございます。
今外出先なので、後で確認します。
経過はこのコメント欄で追記します。
(追記)
私の記述ミスでした。修正しましたのでご確認ください。
教えていただきありがとうございます。感謝。
為になれて良かったです!
合唱曲とは思えないほど高いですね…。髭男なので当然といえば当然かもですが。他の方もコメントされてますが、去年との難易度の落差がエグいです。
あと記事と全く関係ないんですが
TUBE「シーズン・イン・ザ・サン」
CHAGE and ASKA「SAY YES」「LOVE SONG」
桑田佳祐「波乗りジョニー」
をリクエストさせていただきます。曲数が多くなってしまい申し訳ありませんが、何卒。
リストアップしておきます。
いずれも名曲ですね。