『ヘビースモーク』(にしな)の音域

★あhiF裏[な]hiD[た]hiC[い]ろ[に]わ[た]し[も]ぉな[り]hiD[た]ぁい【サビ】

★hiA#[本]hiC[当]hiD[は]A#[分かっ]てA#[る]【Cメロ】

　まず、にしなさんについて少し説明します。にしなさんは2017年より活動する女性シンガーソングライターです。弾き語りや、バンドなどの活動を行い、アコースティックセッションユニット「ぷらそにか」のメンバーとしても活動した時期もありました。
　にしなさんが大きく注目を集めたのは2019年の頃です。ゲスの極み乙女。などのフロントマンとして活躍している川谷絵音さんが、楽曲を提供する名目で一般から公募したカバー動画で、にしなさんが抜擢されました。川谷絵音ソロプロジェクトの「美的計画」として『KISSのたびギュッとグッと』、『恋のこと』のボーカルを担当しました。その後、2021年にはワーナーミュージック・ジャパンより1stアルバム『odds and ends』でメジャーデビューを果たします。
　私なりの感想ですが、にしなさんは歌声が非常に特徴的であり、耳に残ります。アルバム『odds and ends』では、全体として幅広いジャンルの楽曲で構成されており、多くのアレンジャーが携わっております。多様なアレンジャーが携わっていても、アルバムとしてまとまりが取れているのは、にしなさんのボーカルあってこそではないかと思います。今後の活躍が期待される女性シンガーソングライターであります。


　さて、『ヘビースモーク』についてです。この楽曲は、2021年に女性シンガーソングライター・にしなさんによりリリースされたシングル作品です。配信限定のシングルであり、アルバム『odds and ends』の先行シングルでもあります。
　同曲は、Spotifyのバイラルチャートなどでも上位を記録し、にしなさんのYouTubeチャンネルでは130万回もの再生回数を記録しています。同曲は、2021年6月半ばにSpotifyのCMソングとしても起用されております。

　『ヘビースモーク』はバンドサウンドを基調とした切ないナンバーであります。アルバムの中でもロックバンド感の強い作品ですが、全体としてゆったりとしており、ボーカルの良さが強調されております。歌メロはAメロＢメロサビで構成されます。AメロＢメロの「静」、サビの「動」といった形でメリハリがあり、インパクトがあります。
　　作詞作曲はにしなさん、編曲はトオミヨウさんによりなされております。トオミヨウさんは、当ブログで取り上げた作品でも菅田将暉さんの『虹』(過去記事)、Uruさんの『プロローグ』(過去記事)、DISH//の『猫』(過去記事)、平井堅さんの『怪物さん feat.あいみょん』(過去記事)など、近年の多くのヒット曲に関わっております。

　『ヘビースモーク』の音域的な特徴についてです。この楽曲は、女性としては音域が広めであり、またサビの高音も高めになります。キー調整は少しならば可能ですが、それを考慮してもある程度歌い慣れておく必要があると思います。


　最後に『ヘビースモーク』の音域についてですが、【地声最低音】mid1G(G3)～【地声最高音】hiD#(D#5)、【裏声最高音】hiF(F5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域よりも高めです。以下、見ていきます。

　まず、地声最高音hiD#はCメロで1回登場します。hiD#はこの場面のみで、回数としては少なめです。一方、同曲のサビでは、hiDがサビ等で複数回登場し、曲全体で15回弱登場します。hiDは一般的な女性の音域よりもやや高く、同曲でも登場回数も多いです。一般的な女性の場合は、キーを少し下げた方が歌いやすいと思います。

　『ヘビースモーク』は女声としては音域が広く、低音の登場回数も多めです。よって、キー下げの余地は少なめになります。キー調整を行う際は、地声最低音をmid1Gではなく、mid2A#辺りで歌うと、低音域が少し楽になります。

　原曲キーの場合は、hiDが多く登場するため、高音が得意な人向けの作品となります。私自身は、声と歌詞が非常によく、アレンジも楽曲を良く引き立てていると感じました。リクエストを受けて取りあげた楽曲ですが、自選曲としても候補に入れておりました。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。